「低燃費タイヤ」で燃費が良くなるってホント!? 性能の基準がわかる「エコタイヤ」上手な選び方とは

エコタイヤはどうやって選んだら良い?

 実際にエコタイヤは人気があるのでしょうか。埼玉県のタイヤ専門店スタッフKさんに、エコタイヤの動向や選び方などを聞いてみました。

「最近はハイブリッド車が人気ということもあって、タイヤもエコタイヤを選ばれるお客さまが増えました。

現在は高性能なハイグリップタイヤより、静粛性や乗り心地に優れたエコタイヤのほうが実際に装着しているお客さまは多いと思います」

低燃費タイヤラベリングの一例(「A-b」で低燃費タイヤとなる)
低燃費タイヤラベリングの一例(「A-b」で低燃費タイヤとなる)

 そんな状況で、タイヤの性能を指標するグレーディングシステムの導入により、JATAによって認定されるエコタイヤの基準をクリアできるタイヤかどうかが一目瞭然になったのは、ユーザーにとって選びやすくなったといいます。

「やはり転がり抵抗が少ないということは、それだけタイヤがスムーズに回る反面、接地摩擦力が低下してしまうことになります。

 そこでエコタイヤは、摩擦力の高いシリカ(二酸化ケイ素)を配合することで、グリップ力の低下を最小限にしているのが特徴です」(タイヤ専門店スタッフ Kさん)

 ちなみにグレーディングシステムで導入される転がり抵抗性能では、最上級の「AAA」なら約3%、「AA」で約2%の燃費が向上するといわれています。

 さらに、シリカを配合したゴムを使用することで燃費性能だけでなく、耐摩耗性も向上。普通のタイヤより+約1万kmのロングライフを実現しているのだとか。

「直接的に体感できる燃費性能はもちろんですが、ロングライフなのもエコタイヤの魅力のひとつです。

 ただし、個人的には転がり抵抗性能よりウェットグリップ性能を重視したタイヤをおすすめします。

雨天時はブレーキの制動距離も伸びてしまい、事故になりやすい傾向があるといわれています。

 燃費も大事ですが、それ以上に事故に遭わない安全性を優先し、グレーディングシステムで転がり抵抗性能が最高でなくても、ウェットグリップ性能が高いものを選んでほしいと思います」(タイヤ専門店スタッフ Kさん)

 では、エコタイヤを装着すると何が変わるのでしょうか。そしてエコタイヤならではの注意点はあるのでしょうか。

「エコタイヤが登場したばかりの頃は『曲がらない』『止まらない』などといわれましたが、近年のものはノーマルタイヤと遜色ないレベルになってきていると思います。

 とくに最近は静粛性を高めたタイプや乗り心地を考慮したタイプも登場していますので、お好みで選ぶこともできます。

 注意してもらいたいのは、タイヤの素材の特性でもあるのですが、ノーマルタイヤより若干柔らかいので、性能維持のためには適正な空気圧を維持する必要があります。

 現在のラジアルタイヤであれば、昔のように空気圧を高めにしても燃費にあまり影響がありませんが、こまめに空気圧チェックをするのが面倒な人は、自然にエアーが抜けることを見越して規定値より1~2割高めにしておけば大丈夫だと思います」(タイヤ専門店スタッフ Kさん)

 また、素材が柔らかいエコタイヤは、サイドウォールへの衝撃はできるだけ避けたいところ。変形や亀裂の原因にならないように、縁石や段差などには十分注意して走行してほしいとSさんはいいます。

※ ※ ※

 エコタイヤであっても、すぐに大幅な燃費向上を実感しにくいかもしれませんが、半年などのスパンで比べると、その差をジワジワと体感できるはずです。

 むしろエコタイヤの性能を活かすために、速度も安定したエコドライブを意識するのも、燃費が良くなるポイントかもしれません。

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