中高年に増加中!?「眼のトラブル」が重大事故の原因に? 放っておけない「視野障害」とは
国土交通省が「自動車運送事業者における視野障害対策マニュアル」を策定しました。今回は事業者向けですが、眼のトラブルは一般ドライバーでも起こり得ることです。そこで、どのようなトラブルがあり、どういった症状が出るのかを、実際に視野障害を抱えているドライバーに話を聞いてみました。
運転に影響が出る眼の疾患とは
2022年3月に国土交通省自動車局が「自動車運送事業者における視野障害対策マニュアル」を策定しました。これは年々増えていた健康起因事故を予防するための方策のひとつとしてかねてから検討され、ようやく策定にいたったものです。
まずは運転の機会が多く、利用者の生命や財産を運ぶバスやトラック、タクシーといった自動車運送事業者に向けてマニュアルが作成されましたが、リスクという面では一般のドライバーでも同じ。
健康上のトラブルに見舞われる可能性は誰にでもあり、それが運転中に起こらないとはいい切れません。
そもそも視野障害とは一体どういうものなのでしょうか。
視野障害とは、視野(目の見える範囲)が狭くなったり一部欠けたりする状態(視野異常)を指し、原因は眼の疾患や脳の疾患が多く、一般的に加齢とともに悪化する確率が高くなるとされています。
唐突に発症して視野に影響が出ることもありますが、原因となる疾患によっては初期・中期には自覚症状がない場合もあり、視力は良いのに徐々に視野障害が進行してしまい、気付かないうちに今まで見えていたものが見えなくっていることも。
以前と変わらず運転しているつもりで信号や標識を見落としてしまい、重大事故を引き起こしてしまう可能性があるのです。
事故をおこさないために大事なのが、早期発見と治療の継続です。人間の身体は非常に優秀で、片眼に障害があってももう一方の眼が見えていない部分を補い両眼での視野を維持しようとしてしまいます。そのため、視野障害は症状が進行するまで気付きにくいという特徴があります。
それにもかかわらず視野障害はいったん進行してしまうと視野を元に戻すことができない場合があるため、まずは早期発見、そして治療を継続して進行を抑制することが重要になってくるといいます。
自動車運送事業者に限らず、企業や学校では年に1回の健康診断が一般的です。しかし、眼に関する検査は視力検査程度で、視野障害を早期に発見するのは難しいのが現状。
可能であれば、定期健康診断で「眼底検査」と「眼圧検査」を追加で受診するようにしたいところです。
万が一、異常があった場合はすみやかに眼科の精密検査を受診すべきだと思われます。
ちなみに、「眼底検査」は眼の奥の構造を撮影して網膜や血管、神経の状態を診断するもので、「眼圧検査」は眼球に吹きかけた空気の反射から眼球の圧力を測定します。
健康診断でこれらの検査の扱いがない場合は、眼科での検診や眼科ドックをお勧めします。保険診療ではないため受診機関によって費用は異なりますが、視野障害の疾患は失明につながりかねないことを考慮すると、早期発見とすみやかな治療のためにも定期的に検査を受けるほうが安心です。
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