中古車価格高騰中! 2002年の排ガス規制が運命変えた!? 絶版スポーツカー4選

現代でも通用する実力の中古車は高騰中

●日産「スカイラインGT-R」(5代目)

 10代目の日産「スカイライン(R34型)」に「GT-R」グレードが追加されたのは1999年1月のこと。

 同グレードが存在しない世代もあったためGT-Rとしては5代目にあたり、1989年登場の「R32型」から始まった第2世代GT-Rの3代目にして最終モデルということになります。

日産「スカイラインGT-R VスペックII」
日産「スカイラインGT-R VスペックII」

 第2世代GT-Rの特徴は、当時の自主規制いっぱいの280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」と、状況に応じて前後のトルクを0:100~50:50の範囲で配分する電子制御4WDの組み合わせによる卓越した運動性能でしょう。

 R34型では基本性能に磨きをかけ、パフォーマンスのさらなる向上を実現。注目はボディサイズが縮小されていることで、先代にあたるR33型より全長は75mm、ホイールベースは55mmも短縮され、前後重量配分が大きく改善されています。

 搭載されるエンジンは型式も最高出力も変わりませんが、ツインボールベアリングのセラミックタービンを採用することで、最大トルクの増加とレスポンスを向上。

 ほかにもボディ剛性や空力性能の強化、6速MTや18インチタイヤの採用など、登場から20年以上が経った現在でも十分に通用するスポーツカーに仕立てられています。

※ ※ ※

 人気の高さは現役時代から同様で、2002年に販売された最終限定車は1000台が即日完売しました。

現在の中古車相場は限定車に限らず異常なまでに高騰しており、最安値の物件ですら1350万円と高額。2000万円超えも当たり前で、走行距離が少なく修復歴のない物件では3000万円を超えることもあります。

●日産「シルビア」(7代目)

 日産車では、GT-Rだけでなく、「シルビア」も2002年に生産を終了しました。

 最終モデルとなった7代目シルビアは、先代の大型化されたボディが不評だったこともありダウンサイジングされ1999年1月に5ナンバーサイズで登場。

リアのショルダーラインがサイドウインドウより幅の広いスポーティな装いが特徴です。

 搭載されるエンジンは2リッター直列4気筒DOHCで、250馬力(ATは225馬力)のターボと165馬力(ATは160馬力)の自然吸気を設定。駆動方式はFRレイアウトを踏襲し、ターボのMTは6速に進化しています。

 タコ―メーターをメーターナセルの中央に配置したり、グレードによってはフロントピラーに油圧計あるいはブースト計を備えるなど、インテリアもスポーツムード満点でした。

 パッケージオプションを追加したり電動ハードトップのオープンカー「ヴァリエッタ」を追加投入したりと精力的なグレード展開を続けましたが、やはり排出ガス規制のタイミングで生産を終了。

 在庫分が完売した2002年11月(ヴァリエッタは2001年7月)をもって販売を終了しました。

※ ※ ※

 もともと中古車人気の高い車種ですが、7代目モデルは販売期間がわずか3年11か月と短命だったこともあり、生産終了以降の相場は上昇傾向にあります。

 とはいえ、600万円級の極上物件も存在はしますがほとんどは300万円以下と、ほかの絶版スポーツに比べれば常識的な部類。自然吸気のモデルに限れば100万円台でも狙えます。

●マツダ「RX-7」(3代目)

 2002年8月に生産が終了した「RX-7」は、マツダが誇る本格派のスポーツクーペです。

 1991年の発売当時は販売チャンネルの関係からマツダではなく「アンフィニ」名義でしたが、1996年10月からはマツダへと改められました。

 RX-7の特徴は、なんといってもロータリーエンジンを搭載していること。654ccのローターふたつにシーケンシャルツインターボを備え、255馬力から280馬力もの最高出力を実現。5速MTあるいは4速ATを介して後輪を駆動するFRレイアウトを採用しています。

 コンパクトなキャビンと曲面で構成されたスタイリングが個性的なボディはアルミ製のボンネットを採用。新開発の4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションもアーム類やリンクをアルミ製とするなど、徹底した軽量化が図られています。

 結果として、当時としては世界トップクラスのパワーウエイトレシオ4.9kg/PSを達成しました。

※ ※ ※

 モーターのようなフィーリングのパワーユニットとシャープなハンドリングの組み合わせは、ほかのクルマでは決して味わえない独自の魅力があります。

 加えてロータリーターボ最後のクルマでもあるため中古車人気は非常に高く、相場は上昇の一途。最低でも300万円台で、1000万円オーバーの車両もあるほどです。

※ ※ ※

 2002年に多くのスポーツカーが消滅した一方で、マイナーチェンジで対応したホンダ「NSX」(初代)や、デビュー当初から規制をクリアしていた「S2000」のようなクルマも存在。

 さらに、日産「フェアレディZ」(5代目)やダイハツ「コペン」(初代)のように2002年に登場したスポーツカーもあったのですから、「2002年に国産スポーツカーは終わった」というのは早計で、実は国産スポーツカーの火が消えたワケではありませんでした。

トヨタ・スープラ のカタログ情報を見る

【画像】スープラやGT-Rが高嶺の花に!? 中古車価格が高騰中のスポーツカー(37枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー