小型人気ミニバン「シエンタ」は一度絶版になっていた? 再登板の理由は「後継車がふるわなかった」から!?
トヨタ「シエンタ」は一度生産を終了したモデルでしたが、奇跡の復活を遂げ現在に至っています。その経緯をあらためて紹介します。
初代「シエンタ」後継車がふるわず…まさかの再登板!
トヨタの5ナンバーコンパクトミニバン「シエンタ」は現行型で2代目ですが、2003年に登場した初代モデルは一度2010年に生産を終えたのち、翌2011年にふたたび再生産されるという異例の経緯を持っています。
奇跡の復活を遂げたシエンタの歴史を振り返ります。
トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」は、初代モデルが2003年9月にデビューした3列シートミニバンです。
全長はわずか4.1mと小型ながら3列シート・7人乗りのレイアウトとし、後席左右にスライドドアを備えています。
丸いヘッドライトに象徴されるかわいらしいフォルムで、若い主婦層を中心に支持を集めました。
シエンタはデビュー翌年の2004年には6万7000台余りを販売。同様のコンセプトで2001年12月に先行していたホンダ「モビリオ」(同年:約5万6000台)の台数を超え、幸先の良いスタートを切りました。
ただしホンダもその後、2008年5月に後継車「フリード」を投入。翌2009年には約7万9000台を販売するヒット作となりました。
同年のシエンタ販売台数は約3万1000台。同じトヨタ内に5ナンバーミニバンの「ウィッシュ」が存在し、2009年4月のモデルチェンジで3代目となったばかりというタイミング。ウィッシュは2009年に約6万台を売っており、自社内のライバルもシエンタの台数減に大きく影響したようです。
そんななかトヨタは、5ナンバークラスの3列シートコンパクトミニバンの更なる刺客として、2008年12月に「パッソセッテ」を投入しています。ダイハツが開発した「ブーンルミナス」のOEMモデルで、149万円からの低価格設定が大きなウリでした。
初代シエンタはその役目をパッソセッテに譲り、デビューからおよそ7年後の2010年、静かに販売を終了しています。
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ところが後継車として期待されたパッソセッテは月販3000台の目標を大きく下回り、当初より販売不振に陥りました。
スライドドアを備え利便性の高かったシエンタに対し、ウィッシュと同様に通常のヒンジ式のドアを採用したことが裏目に出た格好です。
またパッソセッテは、当時新車購入の大きな支援策となっていたエコカー減税にも対応していなかったことも、売れ行きを伸ばせなかった原因のひとつといわれています。
そのためトヨタは2011年5月、いちど生産を終えたはずの初代シエンタを再生産するという、過去にもあまり例のない緊急措置をとりました。
復活に際しトヨタは、四角い形状のヘッドライトなどで異なるフロントマスクとした「シエンタ DICE(ダイス)」も新設定し、ユーザーの多様なニーズの変化に素早く応えています。
ただし2011年の販売台数では、6万7000台余りを売ったフリードに対し、シエンタは2万台余りと苦戦を強いられています。ホンダに対し逆転を遂げたのは、2015年7月のフルモデルチェンジ以降のことでした。
なおパッソセッテはその後2012年3月に生産を終了。デビュー後わずか3年余りという、こちらも異例の短命モデルとなっています。
そもそもパッソの出来が悪かったからな
あれじゃ売れる訳ないよな
丸目のシエンタが家族の愛車でした。
新型は全長が長くなり、スポーティだかなんだか知らないけど、主婦には取り回しにくくなりました。パッソセッテはスライドドアじゃないから後継車ではないです。
わが家は7人乗りにはこだわらず、ソリオに乗り換えました。ユーザー層を無視する戦略に従い、トヨタとは縁を切りました。