ド派手「ダンボルギーニ」なぜ誕生? 7年経った現在はいかに ダンボール製作は「震災復興」のため!

スーパーカーの代表格ともいえる“ランボルギーニ”。「カウンタック」「ウラカン」「ウルス」など、ラインナップされるモデルすべてが最高級のブランドです。そんなランボルギーニのなかでも、人気の高い「アヴェンタドール」をダンボールで再現した車両が話題となりました。一体、どのような車両なのでしょうか。

その名も「ダンボルギーニ」!実車が無いなかで始まった“復興”のための取り組み

 世界的なスーパーカーの代表格といえば、“ランボルギーニ”をイメージする人も少なくないでしょう。
 
 そんなランボルギーニのなかでも、人気の高い「アヴェンタドール」をダンボールで再現した車両がかつて話題となりました。一体、どのような車両だったのでしょうか。

東日本大震災をきっかけに製作された「ダンボルギーニ・アヴェンダンボール」(画像提供:今野梱包株式会社)
東日本大震災をきっかけに製作された「ダンボルギーニ・アヴェンダンボール」(画像提供:今野梱包株式会社)

 ランボルギーニは、「カウンタック」「ウラカン」「ウルス」「アヴェンタドール」などがラインナップされています。

 なかでもアヴェンタドールは、2011年から2021年まで販売。パワートレインには、6.5リッターのV型12気筒エンジンが搭載され、最大出力700馬力を誇る超ハイパワーな1台となっています。

 生産が終了された現在、中古車で購入するとしても4000万円は下らないアヴェンタドールですが、数年まえに一風変わった再現車両が話題となりました。

 話題となった車両の名前は「ダンボルギーニ・アヴェンダンボール」(以下、ダンボルギーニ)。一体、どのような車両になっているのでしょうか。

 ダンボルギーニを製作したのは、宮城県石巻市にオフィスを構える今野梱包株式会社です。

 今野梱包株式会社では、強化ダンボール「トライウォール」といった資材を扱っています。

 今野梱包株式会社の取り扱いから察することができるように、ダンボルギーニは、ダンボールで作られたアヴェンタドールとなっています。

 ダンボルギーニが完成したのは2015年のこと。当時のSNSでは、今野梱包株式会社がアップした完成報告の投稿が大きな話題となり、広く拡散されました。

 一時、かなり話題になったダンボルギーニですが、誕生の背景には「東日本大震災」の発生がありました。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災では、今野梱包株式会社のある石巻市も甚大な被害を受けました。少しずつ復興が進んでいく一方で、就職や進学で街を出ていく若者が多く、代表である今野氏は次のようなことを考えたといいます。

「俺たちがこの街の『夢』を見せられていないんだ。仕事や生活に手一杯で、疲れ果てていてはいけない。自分の夢やあこがれを、形にして示そう」

 この考えから、今野氏は自身が小さい頃から憧れていたランボルギーニをダンボールで製作する決意を固めました。

 ただ、実物のアヴェンタドールは手元になく、設計などは非常に苦労したようです。

 ネット上の画像やラジコンをもとに、16分の1サイズのものから製作をはじめ、続いて2分の1サイズにアップしたものを製作していったといいます。

 製作していくにあたって問題となったのが「紙のように“曲げる”ことができない点」と「厚み方向の設計も考慮しなければならない点」でした。

 素材に厚みがあり、紙よりも硬いダンボールではなめらかな面を作ることが難しく、折り曲げたり、重ねたりすることでできる厚みも細かく計算する必要がありました。

 それまでに製作した設計図をすべて作り直さなくてはいけないときもあったようです。

 2分の1サイズの製作が成功し、いよいよ本物サイズの製作がはじまる際に、ボディカラーは、今野氏が心のなかですでに決めていたピンクが採用されました。

 カラーが決定してからも、紆余曲折いろいろな問題も発生し、作業は試行錯誤しながら進められたそうです。

 ひとつひとつの課題をクリアし、2015年11月4日の夜にダンボルギーニはついに完成を迎えました。 

 完成後、同年12月には宮城県女川町の駅前商店街にて、東京都内のランボルギーニ販売店(ランボルギーニ麻布)の協力を経て、実車のアヴェンタドールとも並べられ、多くの人に驚きと感動を与えました。

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