新車購入を成功させるカギは「事前のアポ取り」にあり!? 営業マンがこっそり教える意外な商談術とは
アポを取ると「無駄な時間が省けて合理的!」その理由とは
とはいえ、こちらからアポイントを取って買う気満々で訪問したりしたら、うまい具合に言いくるめられたりしないかな…と不安を感じる人もいるはずです。
そんな問いに対し、前出の営業スタッフAさんは意外な効果があるといいます。
「アポイントをとることで商談時間を大幅に短縮できて、しかもお客さんにも有利な商談が合理的にできます」
どういうことでしょうか。
営業スタッフが商談に入ると、まず来店客からさまざまな情報を聞き出して情報を得ようとします。
お客が来店した目的や意向を探りながら話を進めていくことになるため、それだけ時間もかかります。
購入意思のない冷やかし客なのか、あるいは半年以内、3か月以内に欲しいのか。
それともいますぐではないけれど、車検の切れる1年後に買いたい客なのか。
営業マンはまず、購入に関するお客の有効な情報をじっくりと探り出していきます。
しかしクルマに限らず営業マンを相手にするとき、客がつい身構えてしまい不安になるのもこの「根掘り葉掘りと聞き出す長い時間」なのです。
この時間こそが「商談はなんだか苦手」と思わせる最大の理由です。
Aさんも不安解消のために雑談を交えるといいますが、それゆえさらに時間も長くなる…そんな悪循環があるのです。
事前にアポイントを取ってからの来店であればどうでしょう。
明確な購入意思があることや、ライバル車と迷っていること、購入時期が近いこと(明確な時期が決まっていること)を伝えることも可能です。
対応する営業スタッフが探りを入れる時間など、商談に入るまでの無駄な(そして不安な)時間を大幅に減らすことができるというワケです。
なるほど営業スタッフの立場で考えてみると、買うか買わないかはっきりしないお客を相手にするよりも、明確に購入意思があると伝われば、よりいっそう力が入るのは納得できます。
そしてAさんはこっそり教えてくれました。
「購入時期が明確なら上司にプッシュしやすくなるので、値引き交渉などの条件も引き出しやすい環境になります」
事前のアポだけで、ずいぶんと合理的な商談ができそうです。
さらにここ1年くらい、半導体不足などの影響を受けて新車の納期も不透明な状況が続いています。
Aさんも、以前は車検の時期の数ヶ月前に買い替えを検討してもらうケースが多かったといいますが、それがかなわない事例が増えていると警鐘を鳴らします。
いざ商談が進んでみたら、欲しい車種が「1年待ち」ということもたびたびあり、購入計画自体の見直しを強いられることも非常に多いようです。
事前の情報さえあれば、営業スタッフも代案を準備したりして商談に挑むことができるので、その意味でもアポイントは重要になってきます。
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新車ディーラーへ訪問するのに適した曜日や時間はあるのでしょうか。
Aさんは「一般論として」と前置きしながらこういいます。
「平日は週末に比べて来店客は少なく、ショールームも比較的静かです。その中でも、午前中は修理・点検の目的で来店するお客が多く、夕方は預けていたクルマを引き取る来店が集中します。
平日なら、午後の早い時間が落ち着いて話ができる時間帯といえるでしょう」
ただし平日には定休日が設定されているうえ、営業スタッフも混み合う週末を避け平日に休みを取ることが多いという点は注意が必要です。
Aさんも「書類手続きなど平日しかできない日常業務をこなすため営業スタッフみずから外出するケースもあり、むしろ土日よりアポイントが取りづらかったり、商談時間をあまり確保できないこともある」といいます。
仕事は土日が休みという人が、平日にわざわざ有給休暇を取ってまでアポイントを取るメリットはあまりないかもしれません。
えっ、それが普通なんじゃないの…?
急に行ってもし混雑していたら嫌だし。