暑い夏は「車両火災」に注意! ペットボトルやスマホなど“身近なもの”が燃える要因に!?

暑い夏は、車内温度が高温になるため、身近なものを放置しておくと発火・爆発するなど危険が伴う可能性があります。ではどういったものを車内に放置すると危険性があるのでしょうか。

消毒用アルコールも!? 車内放置を避けたほうが良い身近なものとは

 最近は、車両火災が度々発生しており、ニュースなどでも度々取り上げられています。車両火災発生の理由はさまざまですが、具体的にどういった要因があるのでしょうか。

なぜ車両火災は起きる? 身近に潜む危険性とは
なぜ車両火災は起きる? 身近に潜む危険性とは

「令和3年版 消防白書」の資料によると、2020年に起きた車両火災の出火件数は3466件となっています。

 車両火災の出火件数を原因別にみると、排気管によるものが563件(全体の16.3%)と最も多く、次いで交通機関内配線が320件(同9.2%)、電気機器が264件(同7.6%)、放火(放火の疑いを含む。)が223件(同 6.4%)の順です。

 資料を見ても分かるようにクルマ自体の故障やトラブルによるものが多くなっています。

 その一方で、こうしたクルマ自体のトラブルではなく、車内に持ち込むものによっても火災が発生するケースがあるといいます。

 最近では、2022年7月9日に熊本県で車両火災が発生。これについて、クルマ所有者からは「車内にライターを落として燃え広がった」と通報があり、消防がかけつけるもクルマは全焼した事例が発生しています。

 このように身近なものであっても火災が発生する原因になるといえますが、具体的にどういったものを車内に持ち込むと危険性が高まるのでしょうか。

 身近なものだと、ペットボトルやサングラス、フロントガラスに貼り付けた吸盤には注意が必要です。

 水の入ったペットボトルや、吸盤などを直射日光の当たる場所に長時間置いておくと、これらが凸レンズのような役割をすることで太陽光を集めて出火する「収れん火災」が発生するリスクがあります。

 収れん火災は夏場だけではなく、直射日光の当たり方によっては冬場でも発生する可能性があるため、注意が必要です。

 またヘアスプレーや制汗剤などのスプレー缶は、高温になると爆発するリスクがあり、爆発時に静電気が発生して、火災になってしまう恐れがあります。

 上記で事例として取り上げた使い捨てライターも、可燃性の高圧ガスが使用されており、直射日光の当たる場所や高温になる場所に放置すると、ガスが漏れ出す危険性があります。

 ライターなどの小さなものは、シートの隙間に落としてしまっているなど、気づかないうちに車内放置してしまう危険があるため気をつけなければなりません。

 さらに、スマートフォンやモバイルバッテリーなども車内放置が火災の原因となることがあります。

 これらの電子機器にはリチウムイオン電池が使用されていますが、リチウムイオン電池は高温になると発火や爆発のリスクがあります。

 東京消防庁によると、リチウムイオン電池から発火してしまう場合の誤った行動として、夏季の車内など高温になる場所に放置したことが挙げられています。夏場は特に日差しが強く気温も高いため、これらのリスクがますます高くなります。

 また、コロナ禍以降、車内に持ち込まれることが増えたと考えられるのは、アルコール消毒液です。

 手指消毒や車内の消毒用など車内に常備しておくと便利ではありますが、アルコールは揮発性が高いため、夏場の高温となる車内に放置すると、アルコールが揮発して容器が破損し、可燃性のガスが車内に充満することになります。

 特に、厚生労働省が感染症対策で推奨するアルコール濃度は70%以上95%ですが、アルコール濃度60%以上のものは「危険物」に該当し、アルコールが揮発すると夏場は常温でも引火する可能性があります。

 車内に放置するほか、窓を閉め切った車内でアルコール消毒液を使用したり、使用直後にライターなどの火種となるものを使用するのは危険といえます。

※ ※ ※

 このように、身近なものであっても夏場の気温の高い日では車内温度が上がりやすく、爆発や火災が発生する恐れがあります。

 可燃性のガスが発生するものや、爆発・出火の危険性があるものは車内に放置しないよう注意し、危険なものが車内に置きっぱなしになっていないか定期的に確認するなどの対策を心がけましょう。

【画像】煙モクモク…「車両火災」は突然起こる!? 日頃から気をつけたい防止策とは(14枚)

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