「気付きにくいパンク」原因と対策は? 徐々に空気が抜けていく「スローパンクチャー」なぜ起こる?
クルマのトラブルのひとつであるタイヤの「パンク」。高速走行中にタイヤが破裂する「バースト」は非常に危険ですが、実際には徐々に空気が抜けていく「スローパンクチャー」によるトラブルが多いようです。
ここ10年でタイヤのパンクが増えている
クルマのトラブルとして、バッテリー関連に次いで多いのがタイヤに関するものです。
JAF(日本自動車連盟)の、トラブルによる一般道路での出動要請では、ほぼ毎年のように「バッテリー上がり」「タイヤのパンク」「落輪・落ち込み」が上位を占めています。
バッテリーのトラブルは相変わらず多いのですが、それ以上に増加傾向にあるのがタイヤのパンクです。JAFによると、タイヤのパンク発生件数は10年前と比べて10万件以上も増えているといいます。
そもそもタイヤは、空気による「内圧」で剛性と衝撃吸収性を両立させる構造です。
しかし空気圧が減少するとタイヤがたわみ(潰れてくる現象)、丸い円から変形し、その状態で走り続けると一部に圧力がかかって「スタンディングウェーブ現象」が発生。そうすると、タイヤの損傷やトレッドの剥離、最悪の場合はバーストしてしまうといわれています。
高速道路など、速いスピードで走行中に強い衝撃が加わって一気にバーストすることもありますが、実際は徐々に空気が抜けてしまう「スローパンクチャー」に気付かずに走り続けてしまってトラブルなる事例が多く、その結果、タイヤのサイドウォール(側面)まで傷めてしまったり、ホイールや足回りにダメージを負ってしまったりすることもあるのです。
このスローパンクチャーが厄介なのは、タイヤに異物が刺さっている、ホイールのリムが変形している、ホイールとの接点である「ビード」に傷が付いている、エアバルブ自体が劣化しているなど、いくつもの原因が考えられることです。
しかも、エアーを補充することで一旦は正常値に戻ってしまうため、単なる空気圧の低下と勘違いしやすく、発見が遅れがち。
そしてタイヤに異常が生じているのに走り続け、路面からの衝撃などでエアーの抜けが加速し、タイヤだけでなくホイールや足回りまで傷めてしまうことがあるのです。
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