中央道「鶴川大橋」は今… かつての「渋滞名所」なぜ名前を聞かなくなったのか
鶴川大橋の渋滞が解消した理由
さまざまな問題によって渋滞の名所となっていた鶴川大橋ですが、2003年には渋滞がほぼ解消されています。
その理由は、上野原IC~大月JCT間の20.7kmを片道3~4車線に拡幅したためです。
1993年から10年かけて進めた拡幅事業で1280億円が投じられ、上野原IC~大月JCT間は片道3車線に広がりました。
拡幅前後(1999年と2006年)を比較すると、下り線における渋滞発生件数は97%、渋滞量も99.9%それぞれ減っています。上り線も渋滞発生件数が41%、渋滞量は55%それぞれ減少しました。
この結果、交通情報で鶴川大橋の名前を聞くことはほとんどなくなりました。また、鶴川大橋と同様に渋滞ポイントとなっていた中野トンネル、鳥沢橋、猿橋バス停、岩殿トンネルなどの名前も、拡幅区間に含まれていたため交通情報では聞かなくなりました。
上野原IC~大月JCT間の車線の拡幅によって、下り線の渋滞はほとんど解消されました。しかし、上り線の渋滞は解消しきれていません。
2022年現在、上り線のボトルネックになっているのは、相模湖IC~八王子JCT間にある小仏トンネルです。
拡幅事業によってかつての渋滞ポイントだった笹子トンネルや猿橋バス停などの名前は聞かれなくなりましたが、上野原IC~八王子JCT間はいまだ4車線(片側2車線)です。
つまり“上流”が拡幅されても“下流”は細いままであるため、そのウエスト部分である小仏トンネルに渋滞が集約される形になりました。
この問題を解消するため、NEXCO中日本は相模湖バス停から小仏トンネル手前にかけて付加車線を追加するとともに、小仏トンネルをもう1本掘っています。2015年に事業化され、2021年にトンネル本体工事に着手されています。
この新小仏トンネル(仮称)の開通時期はまだ発表されていませんが、開通することにより、中央道上り線の渋滞減少が期待されています。
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