スポーツカーは「MT」じゃないとダメ? AT全盛の時代にMTを求める声が多い訳

MT車のメンテナンスで気を付けることはある?

 1990年から2010年くらいまでは手頃な排気量の国産スポーツカーも数多くあり、ほとんどがMT車をラインナップしていました。

 いまでは「ネオクラシック」と呼ばれるジャンルですが、当時のクルマを現代で乗りたいと考えている人の多くがMTを希望するといいます。

ネオクラシックとして人気の日産「スカイラインGT-R」(R32)
ネオクラシックとして人気の日産「スカイラインGT-R」(R32)

「弊社でも、程度の良いネオクラシックなスポーツカーを探してほしいとの依頼は結構いただきます。

 1990年代以降の国産スポーツカーでも、レストアすれば十分現役で楽しめます。

 ただしMTモデルは走行距離が多い中古車が多いので、必ずしも程度が良い中古車ばかりとはいえず、探すのに苦労します」(中古車店 N店長)

 では、古めのMT車を購入したとき、どんな点に注意すべきなのでしょうか。メンテナンスなどについて、神奈川県のY整備士に聞いてみました。

「ネオクラシックは最近人気が高いです。とくに2リッター前後のMTモデルはかなり値上がりしていると聞いています。

 最初にチェックしてほしいのは、中古車の場合は複数オーナーが乗っていた車両もあるので、MTにガタが来ていないか確認をしてください。

 クラッチはしっかり切れるか、ギアはスムーズに入るか、異音やギア鳴りなどがないかを試乗してチェックすることをオススメします」

 さらに、タイヤの選びかたにも注意が必要だといいます。

 ネオクラシックの場合、当時の基本設計は現在のハイグリップタイヤの性能を想定した設計ではないため、結果として足回りやMTが負荷に耐えられず、傷めてしまうこともあるようです。

「サーキット走行など過度なスポーツ走行では、現在のハイグリップタイヤはグリップ力が高すぎて、当時のスポーツカーではモノコックボディやサスペンションメンバーなどに負荷がかかり過ぎてしまうんです。

 結果としてトランスミッションにもブレーキにもかなりの負荷がかかり、クラッチなどが滑りやすくなってしまうこともあります。

 やはりその年式の足回りとMTの性能を考慮して、当時のレベルに適合するグリップ力のタイヤを選ぶことも大切です」(Y整備士)

 定期的にメンテナンスをすることや、丁寧なシフトチェンジを心がけるだけでも、傷み方やクラッチの持ちが全然違ってくるそうです。

※ ※ ※

 スポーツカーは利便性や快適性よりも、運転する楽しさを優先させたクルマといえます。

 自らの手足で操るダイレクト感に味わえるMT車の人気が復活する兆しがあるのも、急速に電動化が進む今であれば理解できます。

 昨今ではATの2ペダルによる踏み間違え事故もかなり増えていますが、これが3ペダルだったら踏み間違えによる急発進などはほとんどない可能性もあり、安全性といった意味でもMTのニーズがあるのかもしれません。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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