リトラクタブルヘッドライトがカッコイイ! クサビ型フォルムがイケてる昭和のスポーツカー3選

近年、国産スポーツカーはだいぶ減少してしまいましたが、さらに低くシャープなフロントノーズのモデルは、法律の改定の影響からほとんど見られなくなってしまいました。そこで、昭和の時代に誕生したウェッジシェイプのスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

ウェッジシェイプがいい感じ! 昭和のスポーツカーを振り返る

 日本の自動車市場では、近年、ニーズの変化からスポーツカーが減少傾向にあります。とくに比較的安価なモデルは絶滅が危惧されている状況です。

リトラクタブルヘッドライトを採用し、シャープなフォルムのスポーツカーたち
リトラクタブルヘッドライトを採用し、シャープなフォルムのスポーツカーたち

 さらに、最近のクルマでは見られなくなったのが、低くシャープなフロントノーズのウェッジシェイプ(クサビ型)のモデルです。

 これは、歩行者保護を目的とした法改正で低いボンネットの実現が難しくなったことや、重量増とコスト増を招くリトラクタブルヘッドライトがなくなったことも、大きく影響しているといえます。

 一方で、昭和の時代には、シャープなウェッジシェイプのボディをまとったスポーツカーが、数多く存在。

 そこで、昭和にデビューしたシュッと尖ったスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ初代「サバンナRX-7」

性能、デザインともに生粋のスポーツカーにふさわしかった初代「サバンナRX-7」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン車の「コスモスポーツ」を発売しました。その後はさまざまな車種にロータリーエンジンを搭載していきましたが、やはりスポーティなクルマこそロータリーエンジンはふさわしい存在でした。

 そして、コスモスポーツ依頼となる本格的なロータリースポーツカーとして、1978年に初代「サバンナRX-7」(SA22C型)が登場。

 外観は小型軽量なロータリーエンジンの特徴を活かした低くシャープなデザインのフロントノーズに、トヨタ「2000GT」に続いて国産車では2例目となるリトラクタブルヘッドライトを採用しました。

 当時はいわゆる「スーパーカーブーム」の影響もあって、リトラクタブルヘッドライトは高性能車をイメージさせ、サバンナRX-7の登場以降はリトラクタブルヘッドライトが流行しました。

 また、サバンナRX-7の場合は空気抵抗を考慮したボディを実現するために、リトラクタブルヘッドライトが用いられ、実際に空気抵抗係数のCd値は0.36を達成。

 エンジンは573cc×2ローター自然吸気ロータリー「12A型」を搭載し、最高出力130馬力(グロス)を発揮して走りの面でも生粋のスポーツカーでした。

 さらに1982年には、12A型にターボチャージャーを追加した「サバンナRX-7ターボ」が登場。最高出力は165馬力(グロス)にまで向上し、1020kg(GTターボ)という軽量な車体も相まって走りのポテンシャルはさらに向上しました。

 その後、1985年に初代サバンナRX-7のコンセプトを継承した2代目(FC3S型)、1991年には3代目にあたるアンフィニ「RX-7」(FD3S型)が発売され、このFD3S型は国産車で最後のリトラクタブルヘッドライト車となりました。

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●ホンダ「クイントインテグラ」

DOHCエンジンがスタンダードでスポーティさを前面に押し出していた「クイントインテグラ」

 ホンダは1980年に、「シビック」と「アコード」の間に位置するモデルとして、欧州テイストの5ドアハッチバックセダン「クイント」を発売しました。

 しかし、スペック的に目を見張るものはなく、さらに当時の日本市場では「5ドアハッチバックセダンは売れない」というジンクスがあり、実際にニーズはあまりなくクイントは人気とはなりませんでした。

 そこでホンダは1985年に、クイントの後継車である「クイントインテグラ」を発売。

 クイントインテグラは全グレードともDOHCエンジン搭載した3ドアハッチバッククーペで、初代と大きくコンセプトを変更してスポーティさを前面に押し出しました。

 そのため、外観はリトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズと低いボンネットが特徴で、リアはサイドに回り込んだラップラウンド・リアウインドウとハイデッキを採用したシャープなウェッジシェイプとなっていました。

 なお、3ドアハッチバッククーペが発売されたすぐ後には5ドアハッチバックセダン(全車DOHC)が加わり、翌1996年には4ドアセダン(DOHCとSOHC)も登場。なお、3タイプとも共通のデザインテイストでした。

 上位グレードの「GSi」と「RSi」に搭載されたエンジンは、「シビックSi/バラードスポーツCR-X Si」と共通の1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」に電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」を備えた仕様で、最高出力120馬力(ネット)を発揮。

 クイントインテグラはシビック/バラードスポーツ CR-Xとともに人気を博し、1989年に発売された2代目では車名が「インテグラ」へ変わるとともに、ホンダ初のVTECエンジンを搭載するなど、FFスポーツカーとして地位を確立しました。

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●日産「S12型 シルビア」

エンジン、シャシともに一気に性能向上を果たした「S12型 シルビア」

 往年のスポーツカー、日産「シルビア」といえば、1988年に登場して空前のヒット作となった5代目の「S13型」以降のイメージが強いといえますが、FRスポーツカーとしてのポテンシャルを大いに高めたのは、4代目の「S12型」でした。

 1984年にデビューしたS12型は、先代の角型4灯ヘッドライトからリトラクタブルヘッドライトに改められ、ボディも完全なウェッジシェイプへと一新されました。

 ボディタイプは2ドアノッチバッククーペと3ドアハッチバッククーペの2タイプで、販売チャネルの異なる兄弟車の「ガゼール」も先代から受け継がれました。

 エンジンは新開発の1.8リッター直列4気筒SOHC自然吸気とターボに加え、2リッター4気筒DOHC自然吸気の「FJ20E型」、そしてトップグレードには最高出力190馬力(グロス)を誇るDOHCターボの「FJ20ET型」が搭載されました。

 また、大きく進化したのが足まわりで、フロントにストラット、リアはセミトレーリングアームを採用したシリーズ初の4輪独立懸架となり、運動性能の向上が図られました。

 S12型はS13型ほど人気となりませんでしたが、エンジンラインナップや足まわりの進化など、S13型誕生への技術的な布石だったといえるでしょう。

※ ※ ※

 リトラクタブルヘッドライトは昭和の頃には「スーパーカーライト」や「隠しライト」とも呼ばれ、自転車やオートバイに採用されたケースもありました。

 また、スポーツカーだけでなく、セダンやコンパクトカーにも採用されるなど、人気を博していました。

 当時は最先端の技術でしたが、今ではレトロなアイテムとして斬新に見えるのではないでしょうか。

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  1. スバルアルシオーネがいないのはなぜでしょうか?

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