三菱軽EVが本気の進化! 新型「eKクロス EV」は走りも機能もスゴイ!? 先駆者「アイミーブ」との違いは?
動力性能以外に目を向けると、ユーティリティ面の違いも使い勝手には大きくプラスとなる部分です。
i-MiEVのボディはパッケージングよりもデザインや後輪駆動であることを重視したもので、当時としても後席が広くはありませんでした。
しかし新型eKクロス EVは実用性の高いハイトワゴン「eKクロス」をベースにしたもので、後席の広さも十分。後席を使うユーザーにとっては、この違いは大きいでしょう。
安全性能の進化も見逃せません。i-MiEVは2006年にデビューした「i(アイ)」がベースということもあり、衝突被害軽減ブレーキなど先進的な安全機能は最後まで搭載されることはありませんでした。
一方で新型eKクロス EVは、現在の常識的な先進安全機能はしっかり搭載。今どきのクルマ選びをするうえで、安全装備の有無は大きなポイントです。
そして、最後の5つめのポイントとなるのは価格です。
i-MiEVの車両価格(消費税込みで補助金を考慮せず)でもっとも安かったのは2014年10月発売モデルの「M」グレードで226万1520円(消費税8%込)でしたが、これはバッテリー積載量が10.5kWhと少ないタイプでした。
バッテリー積載量が16kWhと大きなタイプは、最安でも264万2440円(消費税8%込)で、その後の最終モデルでは300万3000円(消費税10%込)まで上がっています(一般販売開始時の初期モデルは398万円)。
対する新型eKクロス EVの最安グレードは239万8000円(消費税10%込)。
単純比較ではi-MiEVの最安タイプよりも高い価格ですが、注目はバッテリー容量が上位グレードと変わらない20kWhだということです。
バッテリーサイズを小さくして航続距離を犠牲にするということをせず(むしろバッテリーはi-MiEV上位モデルの16kWhよりも大きい)、さらにメカニズムもダウングレードせずにカーナビやアルミホイールといった装備の違いだけでこの価格を実現できたのは、購入時のハードルを大幅に下げたといって良いでしょう。
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新型eKクロス EVを購入するときは、EV普及のための補助金が国から55万円、さらに住んでいる場所によっては自治体から最大で50万円程度の補助金が上乗せされ、車両本体価格から100万円ダウンとなる実質140万円ほどから購入できる地域もあります。
該当する場合、ガソリン車の軽自動車よりも割安な買い物となるのは、いうまでもありません。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
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