沖縄県といえば日本有数の観光地として知られており、GWには全国各地から観光客が訪れます。
　
　とくに2022年は3年ぶりの「自粛を求めない」GWとなっていることで、沖縄県を訪れる観光客も増加傾向にあると予想されています。

　その一方で観光客の需要に対して「レンタカーが不足する」という問題が発生しているようですが、どのような背景があるのでしょうか。

　依然として収束の見えないコロナ禍ですが、ワクチン接種などの感染症対策が進んだことで、GWには久しぶりの遠出を計画している人も多いようです。

　そのなかで、人気の高い旅行先となっているのが沖縄です。

　沖縄の気候はすでに海水浴もできるほどであり、2022年のGWでは若者から家族連れまで多くの人が訪れることが予想されます。

　ただし、そんな沖縄で「レンタカー不足」という異常事態が起こっているようです。

　これは一体どういうことなのでしょうか。

　沖縄は本土から遠く離れていることもあり、観光客のほとんどが空路を利用して訪れます。

　那覇空港からは「ゆいレール」と呼ばれるモノレールで市街地へと移動することができますが、それ以外の公共交通機関はほとんど整備されていないため、本島内の主要な移動手段としてはレンタカーを利用するのが一般的です。

　日本有数の観光地である沖縄県では、多くのレンタカー事業者が店舗をかまえており、レンタカーの保有台数も非常に豊富でした。

　さらに、レンタカー利用客のほとんどが観光利用ということもあり、レンタカーとして一般的なコンパクトカーやミニバンのみならず、スポーツカーやオープンカー、そしてプレミアムな高級車などバラエティ豊かなラインナップが用意されているという特徴もありました。

　しかし、2022年3月頃からGWを中心とした期間で借りることができる沖縄県のレンタカーが極端に少ないことが、SNSなどを中心に話題となっています。

　沖縄県内の大手レンタカー事業者によると、2022年4月26日時点で、GW期間中に利用可能なレンタカーの在庫は皆無であり「かなり以前からこの状態」だったといいます。

　地元のレンタカー事業者でも在庫はほとんどなく、数少ない在庫車は通常時の数倍という法外な価格が設定されており、一般的な観光客が利用するのは難しい状態です。

　こうした傾向は、沖縄本島のみならず、石垣島などでも同様のようです。

　ただし、コロナ禍以前でもGWなどの繁忙期にはレンタカーが不足することはめずらしくありませんでした。

　むしろ、レンタカーが不足するほど観光客の足並みが回復しているのであれば、それはそれで喜ばしいことだと思われるかもしれません。

　しかし、実際には、このレンタカー不足の原因は単なる観光客の増加にあるわけではないようです。

　レンタカー業界に詳しいある関係者は、沖縄のレンタカー不足について次のように話します。

「コロナ禍以前の沖縄は、観光客の足並みが年中途絶えることがなく、レンタカーも常に一定の台数が稼働している状態でした。

　そのため、レンタカー事業者の多くは、実際のレンタカー保有台数よりも少ない駐車スペースで営業することが可能でした。

　しかし、新型コロナウィルス感染症の流行により、県外からの観光客が一時的に途絶えることになってしまいました。

　その結果、沖縄のレンタカー事業者が売上減少による経営難に陥ったことはいうまでもありませんが、それと同時に保有しているレンタカーの駐車スペース不足にも悩まされることになったのです。

　そこで、レンタカー事業者は保有するレンタカーの整理を進めました。

　そのなかで、急速に客足が回復してきたことで、需要に対して供給が追いつかない状態になってしまったというわけです」

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　このように沖縄のレンタカー不足の背景には、コロナ禍によって保有車両の整理を余儀なくされてしまったというレンタカー事業者の苦しい事情があるようです。

　陽性者数は減少傾向にあるとはいえ、現時点では収束のめどは立っていないことから沖縄のレンタカー事情が回復するのはまだ時間がかかると考えられます。

　沖縄県への旅行を考える際は、レンタカーの空き状況を確認することに加え、レンタカーに頼らない旅行計画を立てる必要がありそうです。