社外品パーツで愛車をカスタム! 外した純正パーツは処分して良い? 取っておくべきパーツは何?

パーツの在庫は意外に早くなくなる! 細かい保安部品こそ保存すべし

 クルマのパーツには「保安部品」というものがあり、これは公道を走行する上で安全を確保するため法令で義務付けられた部品のことをいいます。

 そのなかで「走る・曲がる・止まる」など、基本的な動きを担い、故障すると走行に支障をきたすものが「重要保安部品」です。

トヨタ「86」のノーマルマフラー(上)と社外品のマフラー(下)
トヨタ「86」のノーマルマフラー(上)と社外品のマフラー(下)

 一般的な保安部品とは、ブレーキ、スピードメーターなどの計器類、ホーン(警音器)、ミラー関係、ヘッドライトやウインカー、テールランプなどのライト類が代表的なものです。

「車種ごとの保安部品は、製造終了後5年から10年足らずで生産終了してしまう場合が多いんです。

 とくにウインカーカバーなどのプラスチックの保安部品は劣化もしやすく破損もしやすいパーツですが、いざ探すと在庫が欠品のため修復が難しくなることも多々あります。

 細かい純正の保安部品こそ、じつは大事に保管しておきたいパーツです」(H整備士)

 H整備士いわく、保安部品は車種によって微妙に形状やサイズが違うため、古いクルマのレストアで探すのに苦労するそうです。

「最近人気のネオクラシックなどは、保安部品が残っている車種でないと十分なレストアができず、パーツ探しで苦労することになります。

 そういった事態を考慮して、入手できる保安部品一式を事前に購入されるお客さまもいるくらいです」(H整備士)

 またカスタムした愛車でも、いずれは手放すときがくるはず。下取り査定では、往々にしてカスタムした車両はプラス査定されません。

 これは純正パーツを交換した理由がカスタムなのか、それとも故障や事故などで修繕した結果なのかが判断しにくいからとわれています。

 それが、「純正パーツもあります」となると純正に戻せると評価され、マイナス査定を回避できることもあるのです。

「誰がどのタイミングでどんなカスタムをしたのかが分からない状態が、もっとも評価しづらいものです。

 クルマを手放すときは、社外パーツを装着したままではなく、純正パーツに戻してからのほうが査定額が良くなるという話も聞きます。

 純正パーツに戻したあと、手元に残った社外品パーツをネットオークションなどで売却したほうが良い値がつくと思います」(H整備士)

 さらにH整備士は、重要保安部品にもなっているブレーキパッドなどを社外品に交換した場合は、純正パーツは取っておいてほしいといいます。

 そう考えると、カスタムするときは重要保安部品に影響しない程度でおこなうのが望ましいのかもしれません。

「社外品マフラーへの交換も定番のカスタムですが、近年は騒音規制が厳しくなっています。

 社外品は劣化すると音量が大きくなって車検に通らないこともあるので、取り外した純正マフラーは保管するのにスペースが必要になりますが、手元に残しておきたいところです」(H整備士)

 保安部品だけでなく、それ以外では内装系パーツは意外にも製造廃止になりやすいようです。

 旧車好きなどはオリジナルの状態にこだわる傾向もありますので、できる限り純正パーツは保管しておいたほうが都合が良さそうです。

※ ※ ※

 カスタムしていく上で取り外した純正パーツは、やはり保管しておくのが安全ではあります。

 とくに細かいパーツほど、いざ純正パーツに戻そうとしたときに流通していなかったりするものです。

 むしろ大きいパーツは手放して細かいパーツは保管しておき、下取りに出す前に純正パーツに戻して社外品パーツを個別に売却するのが、賢い方法だといえそうです。

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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