日産ロゴ無い「スカイライン」お披露目! 自動で緊急回避する技術搭載! 将来的には「ドアtoドア」が実現する?
本当の意味での「ドアtoドア」を可能にするかも…
ふたつ目はロング・レンジ・ディテクションのデモです。
ひとつは高速道路のインターなどで目の前の車線が渋滞中→事前に車線変更、もうひとつは路上障害物を車線変更で回避になります。
普通に運転していれば当たり前の行為ですが、現在の運転支援デバイスではブレーキしか選択肢はなく。
しかし、グランド・トゥルース・パーセプション技術で300m先まで認識できているので、クルマは事前に車線変更を自動でおこなって回避をします。
モニターを見ていると、肉眼では車両が停止しているのかどうか、障害物なのかどうか判断が付きにくい遠い距離でもシッカリと認識していることが確認できました。
そして、最後はダイナミックスラムのデモです。ホテルの敷地内のアプローチのように地図が整備されていない道でも、正確な停車位置だけ入力しておけば、センサーが正確にリアルタイムに周辺検索を行ないながら自動で走行。本当の意味での「ドアtoドア」を可能にする技術といえるでしょう。
もちろん、これらのデモができたからといって「すぐに自動運転が可能」というわけではありませんが、今回のグランド・トゥルース・パーセプション技術により、日産の自動運転技術は次のステージに進み始めたのは間違いないでしょう。
ただ、これらの技術は普及しなければ意味がありません。
日産はこの技術の開発を2020年代半ばまでに完了させ、順次新型車へ搭載。2030年までに全ての新型車に搭載することを目指しています。
最後に飯嶋氏に「車両側の進化は自動運転に影響しますか?」と聞くと、「ハードの進化は自動運転技術の“操作”の部分に大きく影響しますので、もちろんYESです。さらにいうと電動化による応答性の高さも強みになるでしょうね」と答えてくれました。
つまり、電動化と電脳化の相性は高く、並行して開発を進めることが重要だということです。
「全個体電池」と「グランド・トゥルース・パーセプション技術」、個人的にはここ数年くすぶっていた感が否めなかった「技術の日産」が戻ってきたような気がしています。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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