スバル新型「ソルテラ」はEV補助金MAXだといくらで買える? サブスクのみの「bZ4X」とどう違う?
トヨタとスバルが共同開発したEVとして、新型「bZ4X」/新型「ソルテラ」が発表されました。サブスクのみのbZ4Xとは異なり、ソルテラは一般販売されます。補助金を最大限活用した場合、いくらで購入できるのでしょうか。
BEV購入時の補助金はいくら?
スバルの電気自動車、新型「ソルテラ」が2022年4月に発表されました。開発はトヨタとスバルが共同でおこない、基本部分はトヨタ新型「bZ4X」と共通です。
しかし販売方法は異なります。
bZ4Xは、「KINTO」と呼ばれるサブスクリプション(定額制のカーリース)のみで扱われ、車両を買い取ることはできません。契約期間が満了したら車両を返却します。
bZ4Xのウェブサイトを見ると、「FWD・Z」の参考価格(消費税込、以下同様)が600万円、「4WD・Z」は650万円と記載されていますが、これはリース料金、補助金額、任意保険料などを決めるときのベースにするために設定しています。
ユーザーは、毎月リース料金を支払って新型bZ4Xを“借りる”ことになるため、価格や補助金額を気にする必要はありません。リース料金は2022年5月2日に公表されます。
一方、ソルテラは、bZ4Xと違って、一般的な買い取りが可能です。価格はFWDの「ET-SS」が594万円、AWDの「ET-SS」は638万円、最上級になるAWDの「ET-HS」は682万円です。
ソルテラは買い取りですから、補助金の申請も基本的には自分で手続きして受け取ります。しかし2022年4月中旬の時点で、ソルテラについては、経済産業省や環境省による国の補助金額が明らかにされていません。
電気自動車の場合、国とは別に、自治体から補助金を受け取ることが可能な場合もありますが、この金額も未定です。
従ってソルテラで分かっているのは今のところ価格だけですが、5月12日に受注を開始すると補助金額なども公表されるでしょう。
スバルの販売店に問い合わせると、以下のような返答でした。
「ソルテラの補助金額は現時点では不明ですが、bZ4Xは明らかになっています。おそらく同程度の金額でしょう。自治体の交付額は不明です」
経済産業省によるbZ4Xの補助金交付額は、FWD、4WDともに85万円です。
現在、経済産業省が実施している電気自動車の補助金は、外部給電機能(100V・1500Wの電源コンセントなど)を装着している場合で、85万円が上限です。
ソルテラの価格帯は594万円から682万円で、bZ4Xと同等の仕様なので、経済産業省の補助金は85万円でしょう。日産「アリア」の「B6/B6リミテッド」も同じ85万円の設定です。
一方で、自治体が交付する補助金はそれぞれ異なります。ちなみに東京都で前年度(2021年度)の場合、個人ユーザーには最大で45万円の交付額が示されていました。ほかの自治体では、20万円から30万円の交付額が比較的多いです。
国と自治体によって交付される補助金を合計すると、条件が有利な場合で、110万円前後になります。
ソルテラの価格は前述の通りFWDのET-SSが594万円なので、補助金の交付額を差し引くと約480万円です。
さらに電気自動車では、購入時に納める環境性能割と自動車重量税の税額が非課税なので、税金も少ないです。
これがガソリンエンジン車の場合、例えばスバル「レガシィアウトバック リミテッドEX」の価格は429万円ですが、購入時には環境性能割と自動車重量税の15万4500円が加わります。
そうなると約445万円となり、ソルテラとレガシィアウトバックの実質差額は約35万円に縮まります。
ソルテラは補助金の交付を受けて、購入時に納める税額も軽減されると、FWDであれば実質的に約500万円のSUVを購入するのと同程度の出費になります。
約500万円のSUVとしては、トヨタ「ハリアー」の最上級グレード(ハイブリッド4WD・Zレザーパッケージ/504万円)や、レクサス「NX」の中級グレード(NX250バージョンL/543万円)などが該当します。
ソルテラは71.4kWhの駆動用リチウムイオン電池を搭載する電気自動車なので、ハリアーなどに比べると、補助金を含めても価格は高めです。それでもプレミアムブランドのレクサスNXに近い金額で購入することができるでしょう。
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SUVのカテゴリーではBEVが続々と登場しており、アリアやbZ4X、ソルテラといった国産メーカーのBEVを買うか、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったプレミアムブランドのBEVを買うかという選択が成り立つようになりました。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。
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