なぜ「シガーライター」廃止も「電源ソケット」残る? 「車中泊・災害」需要増でコンセント標準も! 今後ソケットは無くなるのか
アクセサリーソケットがUSBポートとともに生き残るワケ
そんなアクセサリーソケットが完全に廃止されず、USBポートとともに生き残る背景には、どのような理由が挙げられるのでしょうか。
ホンダの広報担当者は「近年の車内での充電ニーズは、スマートフォンなどの電気デバイスが主になっており、給電方法もUSBに移行していることは間違いありません」と、USBの需要の高さを認知しつつも以下のように説明します。
「パンク修理キットなどの電力を必要とする製品についてはアクセサリーソケット対応であること、そのほか車載用のデバイスやサイドパーティ部品には、未だにアクセサリーソケットの需要があります」
例えば、車載用のデバイスとしては、ドライブレコーダーなどが挙げられ、そうしたパーツのなかにはアクセサリーソケットから電源をとるものもあります。
こうした背景に加え「とくに乗り換えのユーザーなどを考慮すると、一定の需要がある」と考え、アクセサリーソケットを車内装備としているようです。
一方で、最近ではアクセサリーソケットやUSBに加え、コンセントが装備されているモデルも見られます。コンセントの立ち位置はどのようになっていくのでしょうか。
「アクセサリーソケットに代わり、USBの受容が増えていることからも、今後、車内電源がコンセントに移行していくことは確かだと考えています。
また、PHEVやEVなど、大型バッテリーを内蔵した車両が普及するにつれコンセント仕様が増えていきます」
前出のホンダ担当者は、このように、USBに加えてコンセントが今後広く普及していくことを見込んでいます。
ただし「しかしながら、アクセサリーソケット自体は汎用性が高く、前述のとおり需要もいまだにあることから、市場の動向を確認しながら適切な給電装備の適用について検討していきたいと考えています」とも話し、アクセサリーソケットが早急になくなるということはないようです。
またホンダやトヨタでは、ハイブリッド車の多くに「コンセント(AC100V/1500W)」を標準装備またはオプション装備として広く展開しています。
その背景には、前述のように車内で電化製品を使用することが出来るというメリットの「移動できる電源」として需要の高まる車中泊やアウトドア、そして万が一の災害時など幅広い場面での活用が期待出来ます。
トヨタの販売店ではコンセント事情について、次のように話しています。
「ハイブリッド車のグレードや仕様によって、アクセサリーコンセントはオプションとなっていますが、最近のアウトドアニーズや災害に対する意識が高まったことで設定される人は増えている印象です。
また、『非常時給電システム付』であれば、エンジン停止の状態も給電可能なので排気ガスなどを気にせず使用することも出来ます」
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現時点では、アクセサリーソケット、USBポート、コンセントとさまざまな電源がある国産車ですが、輸入車ではUSBポートのみになっている車種もあり、車内の電源事情は今後も変化が見られそうです。
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