ホンダが世界でEV攻勢 SUVやスポーツカーを一気に電動化! でも日本向けEV戦略が保守的な訳
ホンダのEV戦略は世界から遅れをとらないのか?
三部社長は「EV黎明期(である2020年代半ば頃まではホンダとして、国や地域別で)たくさんのEVプラットフォームが出ますが、落としどころは考えています。2030年以降はEV普及期となるので、グローバルで小型、中型、大型(という括りで統一したプラットフォーム)になります」と将来予想図を示しました。
具体的には、中小型車向けを想定して、2026年からホンダが自社開発する「ホンダeアーキテクチャー」を採用したモデルを投入。
さらにサイズの大きなEVは、GMアルティウムを拡充し、2027年から北米で投入するといいます。
このクラスのモデルでは、コストと航続距離で従来のガソリン車と同等レベルを実現することを目指します。
こうしたホンダのEV戦略を見ていると、日本のユーザーも「なんだかホンダは、日本でのEVがコンサバ過ぎない?」という印象を持つ人が少なくないでしょう。
なぜなら、2022年は日本での「EV普及元年」と呼べるように、各メーカーが次々と新型EVを導入するからです。
たとえば、日産「アリア」やトヨタ「bZ4X」、スバル「ソルテラ」といった国産車のほか、輸入車ではボルボ「C40 Recharge」、アウディ「Q4 e-tron」、そしてヒョンデ「アイオニック5」などが登場します。
また、日産と三菱の共同開発の軽EVも登場することになっており、ホンダが2024年の発売を目指す軽商用EVは日産・三菱の2年遅れ、またSUV登場はさらに遅れることになります。
海外メーカーでは、ジャガーが2025年、ボルボが2030年、そしてメルセデス・ベンツは「市場環境が整えば、2020年末にグローバルでEV(またはFCV)100%を目指す」との意向を示しています。
ホンダはすでに「ホンダe」を国内販売していますが、開発担当者らも「欧州規制が開発での主な理由」と言い切るモデルであり、日本向けは日本のEV市場に対する様子見をするかのように販売台数は限定的です。
ホンダは「2040年にグローバルで新車100%をEVまたはFCV」を宣言しており、また今回の会見では「2030年にグローバルで30機種を展開し、2030年の年間EV生産台数を200万台以上」とする方針を表明しています。
はたして、日本のEV市場はこれから、いつ、どのように大きく変化していくのか、ホンダの日本向けEV戦略の行方を注視していきたいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。
バッテリー調達の弱さが、ホンダのBEV世界戦略から直ぐに透けて見えるもので、日本国内向けに安価なBEVを!、と望んでも無理なこと。
アルティウム100kwのバッテリーだけで5万ドルと、今の為替ならバッテリーの値段が600万円相当。
国内向けはパナソニックや東芝から急速充電対応のバッテリーを調達するとしても、トヨタを始めにしてバッテリーユニットは取り合い。
ホンダが日本国内で政治的に勝てる要素は無い。
国内に関しては保守的でも良いと思うよ
今はまず、e:HEVを大事に育ててブランドを定着させてほしい