ついに新型「CX-60」日本初公開!マツダ新型SUVは「スポーティセダン」みたい!? 豪華SUVを2022年初秋に発売へ
ダイナミクスの部分だけでいうと「マツダ6の後継は必要ないかな?」と思う実力
ブレーキはどちらも回生協調式を採用していますが、フィーリング/コントロール性はほぼ同等でした。CX-30/マツダ3では踏力コントロールにこだわりすぎ、まるで鉄板を踏んでいるような硬めのタッチが気になっていましたが、CX-60は最新のマツダ車と同じようにパッドを押しているのが分かるような自然なタッチになっていて一安心。
このようにダイナミクスの部分だけでいうと「マツダ6の後継は必要ないかな?」と思うくらいの実力が備えられています。
走る/曲がる/止まるに関しては、「SUVだから」といういい訳はないようです。ただ、これが「マツダらしさなのか?」といわれると、少々悩ましいのも事実です。
そして、「その心は?」。
新型CX-60の走りのコンセプトのひとつに「ドライバーの操作とクルマの反応のシンクロ(同期)」とありますが、筆者はシンクロしすぎていることが原因じゃないかと思っています。
筆者の考えるドライバーとクルマの信頼関係とは「操作に対してクルマがわずかに上回っている状況」が理想で、そこの塩梅にこそメーカー/ブランドの“味”が宿っていると考えています。
「普段は出しゃばらないけど、いざというときにそっと背中を押してくれる存在」、それこそが本当の人馬一体じゃないのかなと。
例えばドライバーの操作が80だったら、クルマは82-83くらいで応えてくれるようなイメージ。この僅かな差こそがクルマへの「安心」や「信頼」に繋がっていると思っています。
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新型CX-60の基本素性の良さは、世界のクロスオーバーのなかでもトップクラスだと思っています。
だからこそ、市販までに“魂”をシッカリ注入してほしいと思っています。実は筆者は大幅改良されたCX-5に乗って「FRレイアウトにする必要ないんじゃないの?」と思うくらいの進化を感じました。
CX-60がそれを超えるには「基本素性が良ければOK」ではなく、その基本素性をより活かした味付けが重要でしょう。
澄んだピュアな水を活かしたマツダならではの“おいしい出汁”、期待しています。価格は正式発売までお預けですが、風のウワサによるとCX-5とラップする戦略的な価格設定だといわれており、そちらも期待大です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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