なぜ子供はクルマを「ブーブー」と呼ぶのか? そもそも「ブー」ってなんの音? 昔に比べて静かになった最近のクルマ事情とは

子供がクルマを指す表現として「ブーブー」ということがあります。なんらかの擬音から使われるようになったと考えられますが、最近のクルマは静かになりつつありますが、もはや「ブーブー」は死語となるのでしょうか。

「ブーブー」が登場したのは90年前!?

 クルマを表す「ブーブー」という言葉。たしかに、かつてのクルマはそんな音がしていたという気もしますが、昔に比べて格段に静かになった最近のクルマでは、もはや「ブーブー」という言葉は死語なのでしょうか。

子供はクルマのことを「ブーブー」というが…。 なぜなのか?
子供はクルマのことを「ブーブー」というが…。 なぜなのか?

「若者のクルマ離れ」なんて言葉が耳を通り過ぎることの多い昨今ですが、街に出ればクルマを見ない日はありません。それほどまでに、クルマはわれわれの生活に根ざしたものであり、必要不可欠な存在です。

 そして、人間界に降り立ったばかりの赤ちゃんにとってもクルマは身近なものです。そんな赤ちゃんに、クルマを伝えるときに使われるのが「ブーブー」という言葉です。

 大学院で日本語学を研究し、その後自動車メディア関連の仕事に就いたという異色の経歴を持つ筆者(Peacock Blue K.K.瓜生)ですが、そんな筆者が知る限り、クルマを指す赤ちゃん言葉(幼児語)は、日本全国で「ブーブー」もしくはそれに準じるもの(「ブーブ」など)です。

「ブーブー」の由来は、クルマのクラクションの音に由来する擬音語(音を言葉で表したもの。「オノマトペ」ともいう。)であるといわれています。

 最近では、その様子のほうが音のイメージに合いやすいことから、クラクションの音ではなくエンジン音に由来するといわれることもありますが、筆者はその説を否定します。

「エンジン音説」の根拠とされるのは、1960年代から1980年代のクルマが「ブォーン、ブォーン」と1段ずつギアを上げていくからというもの。

 しかし、筆者の恩師でもある明治大学の小野正弘教授が編纂した「日本語オノマトペ辞典」によれば、「ブーブー」が文献に登場したのは非常に古く、1930年の細田民樹氏による小説「真理の春」にある次の一文で確認できます。

「来たよ、お父ちゃん、ブー、ブー来た、来た」

 1930年といえば、トヨタや日産が創立する以前のことであり、日本を走る自動車はおもにアメリカ製のものがほとんどでした。

 世界初のオートマチックトランスミッションが登場するのは1939年頃のことであり、当時は簡易的なマニュアルトランスミッションがメインだったことを考えると、1960年から1980年代のクルマのように、“スムーズに”変速することはできなかったことでしょう。

 また、消音器も現代に比べれば簡素なものであったことから、エンジン音も爆音だったといわれています。

 一方、戦前のクルマに搭載されたクラクションは、現在のように甲高い音ではなく、低い音まさに「ブーブー」と鳴るものが多かったようです。

 このことから、「ブーブー」の由来は、エンジン音ではなくクラクションの音と考えるのが妥当といえそうです。

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