超豪華な「個室付きバス」がスゴい! 「動くホテル」約15時間乗車のはかた号が「キングオブ深夜バス」と呼ばれる訳
テレビ「水曜どうでしょう」で一躍話題となった「キングオブ深夜バス」こと「はかた号」。名前は聞くけどどのような特徴を持ったバスなのでしょうか。
ついた愛称は「キングオブ深夜バス」
夜行バス(一部では深夜バスが有名)は、眠っている時間で移動することによって、時間を有効活用でき、ほかの公共交通機関と比較するとコストパフォーマンスが高い交通手段です。
そんな夜行バスのなかでも「キングオブ深夜バス」として有名なバスがあります。それが、西日本鉄道(西鉄バス)で運行される夜行高速バス「はかた号」です。
では、「キングオブ深夜バス」という愛称は一体、どういったことからつけられたのでしょうか。
はかた号が「キングオブ深夜バス」として広まったきかっけには、テレビ番組「水曜どうでしょう」で登場したことが挙げられ、西日本鉄道の担当者は、このことについて以下のように話します。
「『水曜どうでしょう』の企画のなかで、夜行バスに乗車することがあり、乗車時間を見た大泉洋氏が『キングオブ深夜バス』と発言したことからこの名称が広まりました」
このように、はかた号が愛好家の枠を超えて、広く親しまれるようになった背景には、テレビ番組の影響が大きいといえそうです。
そんな「キングオブ深夜バス」となる、はかた号の特徴は、ベースカラーにパールホワイト、車体側面にゴールドのロゴというシンプルでありながら高級感の感じられるデザインとなっています。
東京・新宿駅に位置する「バスタ新宿-福岡・博多バスターミナル間」を結ぶ路線で、その距離なんと1097kmを走ります。東京発の所要時間は14時間17分、福岡発の場合では所要時間は14時間39分となります。
はかた号は、1990年10月12日から運行開始されて以来、2009年に2階建て車両の導入、2014年には、西鉄グループ初となる個室型シートを採用するなど、常に最新かつ快適なサービスを乗客に提供してきました。
さらに、2020年には運行30周年を迎え、そのタイミングに合わせて新型車両も投入されています。
新型車両には、安全性向上のため「EDSS(ドライバー異常時対応システム)」やタイヤの異常を検知する「TPMS(タイヤ プレッシャーマネジメントシステム)」など、最新の装置も導入。
これらの装置は、通信型ドライブレコーダーと連動していて、運行管理者がリアルタイムで、異常がないか状況を確認することができるようになっています。
よって、万が一異常が発生した場合にも、迅速に対応することが可能となっています。
現在はかた号は、新型車両のみで運行されており、車検の際や繁忙期に続行便を運行する際などに限って、旧型車両も使用されるかたちとなっています。
座席は新旧ともに2クラス制になっていて、車両前方に4席のプレミアムシート、後方に18席のビジネスシートを用意。
ビジネスシートは3列独立タイプ。本革タイプを採用されたシートはリクライニングが可能で、最大リクライニング角度は143度とかなり深く倒すことができるほか、前方の座席の下にはレッグレストもついており、足もゆったりと伸ばすことができます。
消灯時には、フェイスカーテンで座席間を仕切ることによってプライベートを確保。また、全座席に3点式のシートベルトが採用されていて、安全面に関しても心配がありません。
一方のプレミアムシートは、左右1席ずつの個室タイプになっていて、通路側にパーテーションの仕切りがあり、周りを気にせず快適に乗車することができ、快適なホテルステイを思わせる完全なプライベート空間が実現されています。
プレミアムシートには、ビジネスシートと同様に本革シートが採用されていますが、リクライニング機能についてはすべて電動になっているのが特徴です。
リクライニング角度は旧車両が最大150度、新車両が156度となっており、ビジネスシートと比べ乗り心地が向上しています。さらに、シートヒーターやマッサージ機能があるうえに、座面送風機能などの快適機能が搭載されていて快適に過ごすことができます。
また、全シート共通の設備として、USBポートや読書灯、テーブルがあり、フリーで使えるWi-Fiもあるため、ひとりの時間をゆったりと過ごせるようになっているほか、天井にはプラズマクラスターイオン発生器があり、車内の空気は清潔に保たれます。
なお、はかた号について前出の担当者は車内空間について以下のように話します。
「現在流行しているコロナウイルスへの対策も万全で、乗務員のマスク着用や車両の消毒を徹底しております。
また、車内の換気は外気導入モードを使用することで、約5分で完全に完了されるようになっています。今後も、お客さまに安心かつ安全に乗車できるよう努めてまいります」
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夜行高速バス「はかた号」は移動代と宿泊代をあわせて安価に抑えることができ、夜間に移動して翌日の朝から移動先で楽しむことができます。
担当者によると、ユーザー層は幅広く、年齢や性別問わず利用されているといいます。
「キングオブ深夜バス」の愛称で親しまれ、30年を超えても利用者から愛され続けているのは、そのコスパの良さと快適性や安心感が最大の理由といえそうです。
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