360cc時代の軽自動車が超カッコイイ! 1970年代を彩った軽スペシャリティカー3選

近年、日本の自動車市場でトップセラーに君臨しているクルマといえば軽自動車で、なかでも軽ハイトワゴン/トールワゴンが主力となっています。一方、360cc時代の軽自動車には、今では見られないようなスタイリッシュなモデルも存在。そこで、1970年代初頭に登場した軽スペシャリティカーを、3車種ピックアップして紹介します。

昭和40年代を彩った360ccの軽スペシャリティカーを振り返る

 2000年代以降、日本の自動車市場でトップセラーとなったクルマといえば軽自動車です。なかでも各メーカーの主力は軽ハイトワゴン/トールワゴンで、熾烈なシェア争いが繰り広げられています。

スタイリッシュなボディに高性能なエンジンを搭載した昭和の軽スペシャリティカーたち
スタイリッシュなボディに高性能なエンジンを搭載した昭和の軽スペシャリティカーたち

 軽自動車は日本独自の自動車規格として1949年に法律で制定され、1954年には現在のようにボディサイズと排気量が厳密に定められました。

 普及が拡大したのは1960年代からで、普及とともにジャンルの多様化と高性能化が進み、1970年代には今では見られないような個性的な軽自動車が数多く誕生しました。

 とくにハイパワーなエンジンを搭載し、スタイリッシュなデザインのモデルが多数存在。

 そこで、1970年代初頭に登場した軽スペシャリティカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ミニカ スキッパー」

「ギャラン GTO」を彷彿とさせる本格的なクーペスタイルを採用した「ミニカ スキッパー」

 1960年代の終わりには軽自動車に対するニーズも変化して高性能化が進み、軽自動車市場ではパワー競争が繰り広げられていました。

 さらに、同時期には外観のデザインでもライバルに差をつけるために、スポーツカーやスペシャリティカーも次々に登場。

 そこで三菱は1971年5月に、「ミニカ」の派生車として「ミニカ スキッパー」を投入しました。

 外観はスポーツクーペの「コルトギャラン GTO」のデザインを彷彿とさせる、流行のファストバックで、とくにフロントフェイスはコルトギャラン GTOと同じく丸型4灯ヘッドライトを配置した精悍な印象でした。

 リアまわりは斬新なガラスハッチの「ハイカットオフテール」とし、さらに後方視界を確保するために日本初の「スクープドウインドウ」がボディ後端に採用されました。

 また、装備面も充実し、バケットシートやカーステレオ、ラジアルタイヤが装着されるなど、登録車に匹敵しました。

 このスポーティなデザインに合わせるように、トップグレードの「GT」には360cc水冷2サイクル2気筒の「2G10型」ツインキャブエンジンが搭載され、最高出力38馬力(グロス、以下同様)を発揮。最高速度は120km/hに到達したといいます。

 その後、排出ガス規制の強化に対応するため、1972年10月に水冷4サイクルの「バルカン」エンジンに換装され、車名を「ミニカ スキッパーIV」に改め1974年まで生産されました。

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●ホンダ「Z」

実用性を重視した「N360」をベースにスペシャリティカーに仕立てられた「Z」

 前述にある軽自動車市場でのパワー競争のきっかけとなったモデルが、1967年に誕生したホンダ初の軽乗用車「N360」です。

 ライバルが最高出力25馬力前後だった頃にN360は31馬力を発揮し、FFの採用による広い室内も相まって、大ヒットを記録しました。

 そして、1970年にはニーズの多様化に合わせ、N360をベースに開発した軽自動車初のスペシャリティカー、初代「Z」が登場しました。

 ボディは3ドアハッチバッククーペで、フロントフェイスはN360の後期型「NIII」をベースによりモダンに仕立てた印象でした。

 また、外観で特徴的だったのがリアハッチの造形で、黒く太い縁取りから「水中メガネ」の愛称で呼ばれました。

 上位グレードのエンジンはN360にも搭載されたツインキャブレターの360cc空冷4サイクル2気筒SOHCで、最高出力36馬力を発揮。タコメーターのレッドゾーンは9000rpmからという、他に類を見ない高回転型エンジンでした。

 サスペンションはフロントにストラット、リアはリーフスプリングの車軸式とシンプルな構造はN360と同様でしたが、1971年に、フロントに軽自動車初のサーボ付きディスクブレーキを採用し、5速MT、ラジアルタイヤ、スポーツシートなどが搭載されたスポーツモデルの「Z GS」が加わりました。

 その後、同年12月には水冷エンジンに換装され、1972年のマイナーチェンジでピラーレスハードトップとなるなど、スペシャリティカーとしてのイメージの強化が図られましたが、ホンダは初代「シビック」の生産と改良に注力すると宣言し、1974年にZの生産を終了。

 そして24年の歳月を経た1998年に、MRレイアウトのユニークな軽SUVとしてZの車名が復活しました。

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●ダイハツ「フェローMAX ハードトップ」

軽自動車における第一次パワー競争の頂点に君臨した「フェローMAX」

 国内でも屈指の老舗自動車メーカーであるダイハツは、戦後の高度成長期に3輪軽トラックの「ミゼット」を発売し、大ヒットを記録しました。

 そして1966年には、本格的な軽乗用車である初代「フェロー」が誕生し、1970年に2代目フェローが登場すると駆動方式がFRからFFになり、車内空間が広くなったことや、フロントがストラット、リアがセミトレーリングアームの4輪独立懸架となるなど大きな進化を果たし、車名も「フェローMAX」へ改名されました。

 さらに発売から数か月後には、360cc時代の軽自動車で最強となる「フェローMAX SS」が発売され、ツインキャブ仕様の水冷2気筒2サイクルエンジンは最高出力40馬力を誇りました。

 また、1971年にはピラーレスハードトップを採用した、よりスポーティなルックスの「フォローMAX ハードトップ」を追加。

 上位グレードの「GXL」と「SL」には同じくツインキャブ40馬力のエンジンが搭載されるとともに、前輪ディスクブレーキや、空気抵抗を考慮した砲弾型フェンダーミラーを装備するなど、若者を中心に人気を博しました。

 ちなみに、40馬力仕様のフェローMAXでは、タコメーターの3000rpm以下がイエローソーンとなっており、3000rpm以下を保って走るとプラグが「かぶる」可能性があるとされ、いかにハイチューンなエンジンだったかがうかがえます。

※ ※ ※

 軽自動車の第一次パワー競争は排出ガス規制の強化によって1974年には終焉を迎えましたが、550cc時代に再び勃発しました。

 そのきっかけとなったのが1983年に発売された「ミニカエコノ ターボ」で、550cc直列2気筒SOHCのキャブレターターボエンジンを搭載。最高出力はわずか39馬力でしたが、衝撃的なデビューを飾りました。

 そして、各メーカーともターボ化を開始し、第二次パワー競争に終止符を打ったのが1987年に発売されたスズキ初代「アルトワークス」で、550cc直列3気筒DOHCターボは64馬力を発揮して、これが自主規制値の上限とされ現在に至ります。

 今やパワーではなく装備やデザイン、パッケージング、経済性で勝負している軽自動車ですが、今後、本格的な軽EVが復活する予定となっているなど、新たな時代を迎えることになりそうです。

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コメント

4件のコメント

  1. ホンダZは人類史上最強のクルマでしたね。
    何しろ怪獣にさえ勝てたのですからw

  2. やっぱりZ 倉庫にパネルが有ります(笑)

  3. やっぱりZ 倉庫にパネルが有ります(笑)

  4. ホンダの軽に代表する N って名前はこの当時からあったんだ。