トヨタ最強マシン「高機動車」って知ってる? 自衛隊版「メガクルーザー」は何がスゴいのか
高機動車の価格はどのくらい? 一般人が入手は出来るのか?
ちなみに高機動車の価格は約600万円から700万円といわれています。
自衛隊車両として多くの台数の納入がありますが、新車がバンバン売れるわけではありません。
しかも保守や部品ストック、仕様変更に多くのコストがかかるといわれており、ビジネスとして必ずしも旨味があるものではないようです。
自衛隊のPKO活動で一役有名になった「軽装甲機動車」などは、開発コストに対して利益が見込めないことから、製造元の小松製作所が開発中止を防衛省に申し出ています。
一方で民生版のメガクルーザーは、主に災害対策車として官公庁や警察などに納入されました。
当時の車両本体価格は1000万円弱で、一般で購入した人もわずかにおり、最終的には130台ほどが登録されて終了しました。
筆者(山崎友貴)もメガクルーザーを借りたことがありますが、コインパーキングでは2台分のスペースが必要になるなど、何かと一般ユースには向かないクルマでした。
高機動車とメガクルーザーには違いも多く、ヘッドライトやボディの形状、ボンネットの素材のみならず、室内レイアウトも異なっています。
後部座席は前向きの3名乗車仕様で、さらに運転席と助手席の間に、ハンヴィのような大きなセンターコンソールがあります。
駆動系が入ったフロアトンネルの上に、無線やアンプなどといった機器をインストールするボックスを設置。
いい意味でコクピット感がありますが、助手席との隔たりがあり、大きな圧迫感があります。
メガクルーザーはもちろんのこと、軍用車である高機動車を一般で入手することはほぼ不可能です。
これは武器払い下げを禁止するコンプライアンスのためですが、屑鉄として海外に販売された高機動車が、東南アジアで再生され、日本に逆輸入されたという稀な例もあるようです。
しかし、フレームに車体番号が打刻されていないため、日本ではナンバーを取得することができないといいます。
白ナンバーを付けて高機動車に乗るというのは、到底叶わない夢のようです。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
始めに高機動車、民生版としてメガクルーザー。
うそを書いては、筆者の知識が知れますね。