大きな節目を記念して作られた超絶イケてる車たち! 魅力的なアニバーサリーモデル3選
物事の区切りを「節目」といいますが、自動車メーカーやクルマにとっての節目といえば、それなりの年月を経た時ではないでしょうか。そこで、大きな節目で発売された大いに魅力的な記念車を、3車種ピックアップして紹介します。
超絶魅力的なアニバーサリーモデルを振り返る
企業では創立何周年、モノの場合は発売何周年などがいわゆる節目にあたり、多くは5年、10年単位で区切って記念しています。
自動車メーカーも創立50周年や初代発売25周年のように、大きな節目を迎えると、アニバーサリーモデルを販売するケースは珍しくありません。
そうした記念車の多くは、装備が充実していたり特別なカラーリングが施されていたりする「特別仕様車」というのが通例です。
しかし、記念車のなかには、特別に仕立てられたような魅力的なモデルも存在します。
そこで、大きな節目で発売されたスペシャルな記念車を、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「ランドクルーザー 70 バン/ピックアップ」
どんなに過酷な環境にも耐え「生きて帰ってこられるクルマ」をコンセプトに掲げているクルマであるトヨタ「ランドクルーザー」シリーズ。
なかでも、ハイテクな装備に頼ることなく悪路走破性に優れ、高い耐久性や信頼性を誇り、世界中で活躍してきたのが「ランドクルーザー 70」です。
日本でランドクルーザー 70が発売されたのは1984年11月で、ランドクルーザーの名を世界に知らしめた「40系」の後継車として登場しました。
その後2004年に、ランドクルーザー 70は惜しまれつつ国内販売を終了しましたが、海外専用車種として販売を継続。その後、内外装のデザイン、エンジンなどは変更されましたが、大きなモデルチェンジはおこなわれていません。
そして、ランドクルーザー 70の誕生30年という節目を迎えた2014年に、期間限定ながら国内市場で復活を果たしました。
再販版のランドクルーザー 70は、セミロングボディの4ドアバンと、国内初のダブルキャブピックアップトラックをラインナップ。
搭載されたエンジンは4リッターV型6気筒DOHCガソリンで、トランスミッションは5速MTのみを設定。中定速域のトルクが重視されたセッティングとなっており、2トンを超えるボディにふさわしい力強さがありました。
一方、カタログ燃費は6.6km/L(JC08モード)と非常に悪く、ガソリンタンク容量が130リッターもあり、しかもハイオク仕様となっている点なども話題となりました。
駆動方式は誕生以来変わらない、レバーでトランスファーを手動操作するパートタイム式4WDです。
足まわりはフロントがコイルスプリング、リアがリーフスプリングのリジッドアクスルで、乗り心地は良好とはいえませんが、高い強度と耐久性は世界で実証されてきました。
装備も現代的になって、両席エアバッグやマニュアルエアコン、パワーステアリング、パワーウインドウ、キーレスエントリーなどが装備されましたが、走行に関わる電子制御はABSくらいでした。
発売直後は待ち望んでいたユーザーが買い求めたことから、多くのバックオーダーを抱えるほどの人気でしたが、安全面に関わる保安基準に適合できないことから、当初の予定どおり1年ほどで日本での販売を終了しました。
●日産「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
日産は1969年に、市販車ベースのツーリングカーレースで勝つことを目的に、初代「スカイラインGT-R」を発売。1973年には2代目(通称:ケンメリ)が登場しましたが、短命に終わり、一旦は系譜が途絶えました。
しかし、1989年に16年ぶりに「R32型」としてスカイラインGT-Rが復活を果たし、1995年には正常 進化した「R33型」が登場。
パワートレインなど基本的なメカニズムはR32型からのキャリーオーバーでしたが、ボディを一新してサイズの拡大と足回りやブレーキを中心に改良され進化していました。
そして、1998年にはスカイライン誕生40周年を記念するモデルとして、「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」が発売されました。
オーテックジャパンが開発と生産をおこない、ボディは2ドアクーペのみだったスカイラインGT-Rのシャシをベースに、4ドアのボディパネルを組み合わせ、初代の初期型以来となる4ドアセダンに仕立てられました。
外観はスタンダードなR33型セダンと異なり、2ドアのブリスターフェンダーを4ドアで再現するため、リアドアとリアフェンダーは新たに製作され、迫力あるワイドボディとなっていました。
一方、特徴的な大型リアスポイラーは装着されず、フロントスポイラーも小型化するなど、シックなイメージのハイパフォーマンスセダンというコンセプトでした。
エンジンは最高出力280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボの「RB26DETT型」で、5速MTのトランスミッション、「アテーサET-S」4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどは2ドアのスカイラインGT-Rから移植されました。
内装ではインパネまわりは2ドアと同じですが、リアシートは40thアニバーサリー専用のバケットタイプで、乗車定員は4名と、あくまでもスポーツカーというスタンスとなっていました。
スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは限定車ではありませんでしたが、1999年に生産を終了し、今では非常に希少なモデルです。
●アルファ・ロメオ「ジュリア GTA/GTAm」
アニバーサリーモデルは海外でも盛んに作られていますが、なかでも直近に発売され、かなり大胆に仕立てられていたモデルとして話題になったのがアルファ・ロメオ「ジュリアGTA/GTAm」です。
ベースのジュリアは2017年に発売されたFRのミドルクラスセダンで、高性能モデルとして「ジュリア 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」がラインナップされていますが、2020年にアルファ・ロメオ創立110年を記念した特別なハイパフォーマンスカーとしてジュリアGTA/GTAmが開発されました。
ジュリアGTA/GTAmは最高出力540馬力を誇る2.9リッターV型6気筒エンジンを搭載し、超軽量素材の広範囲な使用によって約100kgもの軽量化をおこない、パワーウエイトレシオはレーシングカーに匹敵する2.81kg/psを達成しました。
外装にはF1のコンストラクターであるザウバーエンジニアリングが開発したエアロキットが装着され、前後のトレッドを50mm拡大してワイドフェンダー化されていました。
ほかにもリアのカーボン製ディフューザーと一体となったアクラポヴィッチ製のチタンエキゾーストや、20インチのセンターロックホイールが装着されるなど、まさに公道を走るレーシングカーというコンセプトです。
さらにジュリアGTAmについては4ドアセダンながら2シーター化され、室内にはロールケージと6点式シートベルトを標準装備するなど、サーキットアタックを前提とした仕様となっていました。
ジュリアGTA/GTAmは2021年に日本でも期間限定で受注販売され、当時の価格(消費税込)はGTAが2064万円、GTAmが2198万円と、価格も「スーパー」でした。
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2台目に紹介したスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは、当時、かなりのハイパフォーマンスセダンだったことから、神奈川県警や埼玉県警がパトカーや覆面パトカーに採用したほどです。
現在も「GT-R」や「フェアレディZ」がパトカーに採用されていますが、あまり目立たないスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーの覆面パトカーは、かなり恐れられていたのではないでしょうか。
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