正統派スポーツセダンはまだ健在! クルマ好きも納得の国産高性能セダン3選

近年、日本ではセダンの人気が低迷しており、ラインナップも少なくなったままの状態が続いています。しかし、数少ない現行セダンのなかにも魅力的なモデルが存在。そこで、クルマ好きも納得できる国産高性能セダンを、3車種ピックアップして紹介します。

魅力的な国産高性能セダンを振り返る

 日本の自動車市場では1990年代をピークにセダンの人気が下落し、現在は各メーカーともセダンラインナップは減少したままの状態が続いています。

今では数少ないハイパフォーマンスな国産セダンたち
今では数少ないハイパフォーマンスな国産セダンたち

 最大の理由はニーズの変化によるもので、1990年代から急激に普及したミニバンにファミリーカーの座を奪われ、近年ではSUV人気の高まりによって、メーカーもセダンに力を入れなくなったためです。

 これは海外でも同様で、日本よりもセダンの人気が高い欧州やアメリカでも、セダンのシェアはSUVによって減少傾向にあるといいます。

 しかし、現行セダンのなかも魅力的なモデルはまだまだ存在します。

 そこで、クルマ好きも納得できるような国産ハイパフォーマンセダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「スカイライン 400R」

シリーズ最強の最高出力405馬力を誇るツインターボエンジンを搭載した「スカイライン 400R」

 今や日産を代表するセダンとなった「スカイライン」ですが、現行モデルは2014年に発売された13代目で、2019年にビッグマイナーチェンジがおこなわれた際に、ハイブリッドモデルではハンズオフ走行が可能となり、ガソリン車ではシリーズ最高の出力を誇る「400R」が登場するなど、大きく進化を果たしました。

 なかでも400Rの3リッターV型6気筒ツインターボエンジンは、ターボの過給性能を極限まで高めた結果、最高出力405馬力を達成しました。

 また、このパワーを受け止めるために、4輪にアルミ製対向ピストンブレーキキャリパー、専用にチューニングされた「ダイレクトアダプティブステアリング」、新開発の電子制御ショックアブソーバーなどを装備し、優れた運動性能を発揮。

 一方、外観ではスタンダードモデルとの差異はほとんどなく、「400R」のエンブレムが装着されるに留まり、まさに2代目スカイラインを彷彿とさせる「羊の皮を被った狼」を体現しているようです。

 これほどハイパフォーマンスなスカイライン 400Rですが、セダンとしての基本性能が高く、十分に普段使いできるコンフォートな面や安全性能も備えています。

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●マツダ「マツダ6」

フラッグシップセダンながら6速MTをラインナップする貴重なモデルの「マツダ6」

 マツダのフラッグシップに君臨しているモデルは「マツダ6」です。前身は2012年に登場した3代目「アテンザ」で、2019年8月にグローバルで車名を統一したことを受けてマツダ6に改名されました。

 ボディバリエーションはセダンとステーションワゴンで、どちらも今や貴重な存在です。

 セダンのボディは全長4865mm×全幅1840mm×全高1450mmとフラッグシップにふさわしいサイズを誇り、この大きなサイズを生かして流麗なシルエットを実現。

 パワーユニットは、最高出力156馬力の2リッター直列4気筒自然吸気、190馬力の2.5リッター直列4気筒自然吸気、230馬力の2.5リッター直列4気筒ターボ、そして190馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒ターボディーゼルと、豊富なエンジンラインナップを展開しています。

 また、トランスミッションは6速ATに加えディーゼル車には6速MTが設定されるなど、マツダらしさあふれるラグジュアリーなスポーツセダンに仕立てられています。

 なお、マツダ6は3代目アテンザの発売から2022年で丸10年が経とうとしており、次期型の登場も噂されています。

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●スバル「WRX S4」

シャープなフォルムにユニークな試みとしてSUVテイストを取り入れた「WRX S4」

 スバルは2021年11月25日に、新型「WRX S4」を発表しました。「インプレッサ」から続く系譜を受け継ぎ、ハイパワーなターボエンジンを搭載した生粋のスポーツセダンです。

 外観はスバル車のアイデンティティであるヘキサゴングリルを配置したフロントフェイスはワイドな形状となり、先代以上にシャープな印象で、ボンネット上のエアスクープと相まって、ロー&ワイドなスタンスを強調しています。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1825mm×全高1465mm(アンテナを含む)で、全体のシルエットは前傾姿勢でスピーディさを表現し、大きく張り出した前後フェンダーによって迫力あるフォルムを実現。

 また、4輪のフェンダーアーチや前後バンパーに樹脂パーツを装着することで、SUVに近い機能的な外観を演出するユニークな手法が取り入れられており、実際に空力性能の改善による直進安定性を高める役割もあります。

 内装ではドライバーの眼前にフル液晶のメーターを装備し、スピードやエンジン回転数などに加えてブースト計を表示。さらに大型のセンターディスプレイには運転に必要な情報を表示するなど、デジタル化が進みました。

 なお、上位グレードの「STI スポーツR」ではレカロ製スポーツシートがオプション設定されるなど、スポーツセダンというコンセプトを明確にしています。

 パワーユニットは全グレード共通で、最高出力275馬力を発揮する2.4リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載し、組み合わされるトランスミッションは「スバルパフォーマンストランスミッション」と呼称される新開発のCVTのみですが、「スポーツ変速制御」によって、トルク制御とブリッピングを駆使してシフトアップ&ダウンをおこなうことで、変速速度とキレのある変速感覚を実現。

 駆動方式は先代から継承した不等&可変トルク配分電子制御4WDの「VTD-AWD」で、さまざまな路面状況でも安定した走りが可能なオールラウンダーを継承しています。

※ ※ ※

 最後に紹介したWRX S4の北米仕様には、6速MTが設定されています。先代の「WRX STI」は6速MTでしたが、今のところ新型に追加設定されるかはアナウンスされていません。

 現在、日本では新車の販売台数のうちMT車が占める割合は1%台にまで落ち込み、市場規模を考えるとMTをラインナップするのは、かなりハードルが高いといえます。

 そう考えると、マツダのように多くのラインナップにMTを設定する取り組みは、もっと評価されてもよいのではないでしょうか。

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