交通事故は加害者よりも被害者の方が大変ってホント!? 事故に遭ったらどう対処? 被害者がすべきこととは

いつ巻き込まれるか分からない交通事故。万が一アクシデントに遭遇したとき、さまざまな対応が求められます。被害者側の立場になった場合、一体何をすべきなのでしょうか。

事故時の最優先は人命救助! その次に警察に連絡すべし

 交通事故は、もちろん誰もができれば避けたいものですが、突然巻き込まれてしまうことがあります。

 そのためクルマを所有する人は、事故への補償に備えとして自賠責の加入が義務付けられているほか、任意保険に加入するのが常識です。

 その一方で、実際に事故の被害に遭ったときにどう対処すべきかということはあまり知られていません。

どんなに気を付けていても交通事故に巻き込まれることがある
どんなに気を付けていても交通事故に巻き込まれることがある

 事故の加害者の場合は、相手の被害状況を確認して、保険会社と警察へ連絡するのですが、巻き込まれてしまった被害者側がその場でできることについて、実際に事故に遭った被害経験者や保険会社の代理店担当者などに話を聞いてみました。

 まず交通事故の場合、その程度によって対応が変わります。

 クルマ対クルマの、いわゆる「物損事故」と、乗員や歩行者に身体的被害が生じる「人身事故」では、優先すべき順序が違ってきます。

 人身事故の場合は、何よりも優先されるのは人命です。これは道路交通法の第72条1項に明記されていて、「交通事故が発生したら(加害者側・被害者側に関係なく)該当車両の運転手や乗員は最優先で負傷者を救護する行動と、道路上の危険を防止する努力をする」というものです。

 ここで注意したいのは、ぶつけられた被害者側は何もしないのではなく、救急車の手配や場合によっては(医療行為以外の)看護など、負傷者の救護をすべきという点です。

 もっとも自分が被害を受けた場合は、まず自分の怪我を過小評価せずに、場合によっては救急車を呼んでもらうことも必要です。

 交通事故の被害に遭ったFさん(40代・男性)は運転歴20年以上のベテランドライバーですが、事故直後はパニック状態になってしまい、怪我の程度などの判断が鈍ってしまったといいます。

「事故に遭った直後はアドレナリンが出ているのか、痛みをあまり感じないんです。時間が経って状況が飲み込めるにつれて、体のアチコチに痛みが出てくる感じです。

 側面からぶつけられて自分の足がパンパンに腫れているのに笑ってしまったくらいですから」

 意識があり会話も問題ないレベルであれば警察へ連絡しますが、警察が到着する前にもすべきことがあります。

 事故発生直後は(もちろんできる範疇で、ですが)現場の状況、事故現場の住所がわかるもの(電柱や標識など)、当事者同士の免許証、車体の被害状況(ナンバーも写っていると良い)などをスマートフォンなどで撮影しておくと、のちの警察立ち会いによる「実況見分」でも説明しやすくなります。

 警察には事故発生の日時、死傷者や負傷者の程度、壊したものとその程度、事故当該車両の積載物など、故発生後にとった措置を説明する必要がありますので、先ほどのスマホで撮影したデータが有効になってきます。

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