ルームミラーはもう古い!? カメラで後方を映す「デジタルインナーミラー」が急普及! 弱点はある?

デジタルインナーミラーって実際どうなの?

 実際にデジタルインナーミラーを後付けした「アルファード」オーナーのSさん(30代・男性)に、使用した感想やメリット・デメリットを聞いてみました。

「一番のメリットは昼夜を問わず、視界良好なことです。とくにミニバンは通常のバックミラーでは車内のシートが干渉する部分が大きく、後方視界はかなり限られたものでした。

 それが後方カメラをリアウインドウ上部に取り付けることで、乗車人数や荷物の積載量に影響されずに後方を確認することができます。

 あと輝度(明るさ)が調整できるので、夜間でも通常のミラーでは得られなかった明るい映像が見られるのも大きなメリットだと思います」

デジタルインナーミラーは夜でも車両後方を明るい映像で確認できる
デジタルインナーミラーは夜でも車両後方を明るい映像で確認できる

 明るくクリアな映像が見られると満足度は高いとSさんはいいます。

 また、あおり運転などを記録できるドライブレコーダーとしても活用でき、(機種にもよりますが)タッチパネル式モニターでカメラを上下に微調整もできる点も重宝しているそうです(注:左右方向の調整は不可能)。

 ではデメリットや弱点はあるのでしょうか。

「私はすぐに慣れましたが、やはり通常のミラーとは見え方がだいぶ違います。映っているものが逆にクリアすぎて、一瞬距離感が掴みにくいときがあります。ウチの父は目のピントが合わないと嘆いていました。

 また、これはカメラやモニターの解像度などの問題なのかもしれませんが、信号機やヘッドライトなどLEDの光がチラついて見えることがあります」(アルファードオーナー Sさん)

 LEDは実際には速いスピードで点滅を繰り返しており、人間の目では脳が情報処理してくれているので常時点灯しているように見えますが、カメラは正直に映し出すためモニターを通じるとチラついて見えてしまうのです。

 今の技術であればソフトなりハードなりで情報処理できるとは思いますが、ほんの一瞬でも処理に時間がかかり、リアルタイムな映像ではなくなってしまう可能性もあります。

「あとはトンネルなどを抜けた直後などは、カメラの性能が追いつかず瞬間的に真っ白になることも。これも慣れが解決してくれるとは思いますが」(アルファードオーナー Sさん)

 すでに数多のデジタルインナーミラーが販売されていますが、一体どれを選べばいいのでしょうか。

 やはり多少高価でも日本の一流メーカー製は安心です。ただ、昨今の中国製品のなかには手頃な価格で高性能なものもあるようです。

 昨今のデジタルインナーミラー事情について、前出の中古車販売店 K店長が教えてくれました。

「やはり製品のクオリティ的には日本のメーカーならば問題ないと思います。しかし最近は、中国製でも2万円から3万円の高性能モデルが増えました。そして、これらの高級モデルは性能が良いみたいです」

 かつての1万円以下の格安商品は、新品なのに映像が映らないといった粗悪な商品もあったとういわれていますが、現在ではそれなりの画質を確保しているものも多いようです。

 また低価格ではありませんが、ある程度の価格の中国製デジタルインナーミラーでは、日本メーカーのものを凌駕する高画質で高性能なものも登場しているのだそうです。

 そんななか、何台も取り付け作業をしてきたK店長が懸念しているのは耐久性です。

「標準装備では問題も少ないでしょうが、まだ新しい装備だけに何年使用できるのかが未知数なんです。

 それが個体差なのか経年によるものかは、あと数年かけないと判断が難しいところです。

 今後はさらに純正パーツとしての採用がかなり増えるでしょうし、社外品の取り付けは増えていくと思っています」(中古車店 K店長)

※ ※ ※

 デジタルインナーミラーは、故障などによってモニターに映像が映らなくなってしまっても、通常のミラーとしても使えます。

 デメリットもいくつかありますが、それよりも暗部がきれいに映せたり、ドライブレコーダーとして後方の映像を記録してくれるのは非常に便利です。デジタルインナーミラーは今後さらに普及していきそうです。

【画像】デジタルインナーミラーの有無で見え方はどう違う? ドアミラーがカメラ式の「デジタルアウターミラー」とは?(14枚)

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Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ

2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。

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