ルノー・日産・三菱、今後5年間で電動化に3兆円投資 2030年までに35車種投入へ 欧州版「マーチ」EV化も計画
ルノー、日産、三菱自動車の3社連合がクルマの電動化加速を主軸としたロードマップを発表しました。
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仏ルノー、日産、三菱自動車の3社連合は2022年1月27日、クルマの電動化加速を主軸としたロードマップ(行程表)を発表しました。
今後5年間で230億ユーロ(約2兆9500億円)をEV(電気自動車)開発に投資するといいます。これは、3社連合がこれまで投資してきた100億ユーロに上乗せする形です。
EVは、共通EVプラットフォーム(車台)の開発を進め、2030年までに35種類の新型モデルの投入を計画しています。
このうち、9割の車種は5つの共通EVプラットフォームをベースとし、ほとんどの市場、すべての主要地域をカバーするといいます。
共通プラットフォームのうち、コンパクトEV用となる「CMF-BEV」は、2024年に投入されます。最大400kmの航続距離と優れた空力性能を実現するもので、ルノー、アルピーヌ、日産の各ブランドで年間25万台分のEVのベースとなる計画です。
この中には、ルノー「R5」や、日産「マイクラ」(日本名「マーチ」)の後継となる新型EVも含まれており、これらのモデルは、日産がデザイン、ルノーが開発を担当し、フランスでの生産が予定されています。
フレキシブルなEVプラットフォームとなる「CMF-EV」は、発売を控える日産「アリア」やルノー「メガーヌE-Techエレクトリック」に採用されています。2030年までに15車種以上に採用され、年間最大150万台が生産される計画です。
このほか、新型ダチア「スプリング」のベースとなる「CMF-AEV」、軽EV専用プラットフォーム、ルノー「カングー」や日産「タウンスター」のベースとなるLCV(小型商用車)EV専用プラットフォームも計画されています。
三菱は、ルノーの最量販車種をベースにした新型「ASX」(日本名「RVR」)など2つの新型車を投入します。
3社は今後、EVとコネクテッド・モビリティに注力するとし、プラットフォームと電子システムの共用化により、2026年までにアライアンス全体で45車種に運転支援技術を搭載し、1000万台以上を販売する見込みです。
ルノーは、電子機器のハードウェアとソフトウェアのアプリケーションを統合し、一体型の共通電気・電子アーキテクチャーを開発。3社はこれを共有し2025年までに完全にソフトウェア定義(Software Defined)された車両を投入するといいます。
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日産は2030年を見据えた長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を2021年11月に発表しました。
これによると2030年までに、グローバルで15車種のEVを含む23車種の電動車を導入する方針です。
その中間点となる2026年までの見通しとして、グローバルでEVとe-Powerをあわせて20車種以上導入するといいます。
ただし2026年までの電動化率は、国や地域の充電インフラなどに大きく左右されることから、欧州は75%以上、日本は55%以上、中国は40%以上で設定。米国は2030年度までにEVのみで40%以上としています。
また、日産は2024年度までに横浜の生産工場にパイロット(試作)生産ラインを設置し、2028年度までにEV向け全固体電池を量産する計画です。
今回表明された3社連合の計画では、この全固体電池を2030年までに共有。さらに2030年までに世界の主要生産拠点で合計220GWhのEV用バッテリー生産能力を確保する方針です。
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なお、トヨタも2021年12月に新たなEV戦略を発表。2030年のEVの世界販売目標を年間350万台と、従来の目標から大幅に引き上げる計画を打ち出しています。2030年までに30種類のEVを展開する方針で、そのために、電池関連には2兆円を投じると表明しています。
全固体電池は従来はトヨタが世界で抜きん出て開発していると言われていたが、ここに来て逆転したと見るべきなのだろうか。トヨタ製は性能的にHV用と言っているところ見ると大電力を取り出せないと言う事なのだろう。
日産はBEVに使うとなれば大電力制御は日産が進んでいるとみることができる。
ただ、日産のリキッドタイプも薄膜化で安全性が高い実績がある。発火事故が皆無は素晴らしい。
電池開発競争が激化することは事実だろう。日産アライアンスだけでも先行してくれればと思う。