なぜクルマの「タコメーター」はタコと呼ぶ? 8本足の蛸と関係アリ? 予想外な語源とは

速度の意味を持つ「タコ」 スピード(speed)ではだめなの?

 一方で、“速度”を表す英単語として、多くの人がイメージするのは「speed(スピード)」という単語です。

 では、なぜ当時のタコメーターは、スピードメーターとは呼ばれなかったのでしょうか。

タコは速度を表すけど…「スピードメーター」とは何が違う?
タコは速度を表すけど…「スピードメーター」とは何が違う?

 実は、現在の意味での「speed」という言葉が用いられるようになってからの歴史は意外と浅く、確認できる限りでは1879年が初出となっています。つまり、タコメーターの登場から半世紀以上も後のことになります。

 前述の通り、当時は速度という概念自体があまり一般的ではなく、学術的な専門用語という位置付けであったと考えられます。

 現在でもその文化は残っていますが、学術用語では古代ギリシャ語(ラテン語)を用いるのが一般的であり、その理由のひとつは「現在進行系で使われ方や言葉の意味が変わることが少ないため」とされています。

 その後、鉄道や自動車の発達とともに、速度という概念が一般化したことで、より多くの人が理解しやすい「speed」という単語が用いられるようになったといわれています。

 つまり、タコメーターの「タコ」とは、古代ギリシャ語の「タコス(速度)」が転じたものであり、古代ギリシャ語の「タコス」が用いられるようになったのは、当時は「速度」という概念自体が専門的なものであったことから、慣習にしたがって古代ギリシャ語が用いられたということのようです。

※ ※ ※

 クルマ関連の用語には、その語源を調べてみるとおもしろいものが多くあります。

 例えば、「クラクション」は和製英語であり、英語では「ホーン(horn)」と呼ぶのが一般的です。

 では、「クラクション」とはなにかというと、かつてクラクション(ホーン)のメーカーであった「クラクソン」という会社名が転じたものといわれています。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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