見た目だけで判断しないで! 機能と美学をまとったクルマのこだわり塗装モデル5選
日常使用の傷は自己修復
●日産「ローレル」:光沢が長続きする「スーパーファインコーティング」
1989年1月に発売された日産6代目「ローレル」は、「スカイライン」「セフィーロ」との3兄弟で、トヨタの「マークII」「クレスタ」「チェイサー」を迎え撃つためのさまざまな高級感を演出する装備が用意されていました。
そしてそのこだわりは、塗装にも反映されています。
フッ素系樹脂を塗装表面にプラスすることで、塗装の光沢を維持してくれるという「スーパーファインコーティング」(SFC)が初採用されたのです。
その効果は、水はじきが良く、汚れが落としやすく、光沢が長持ちし、洗車の傷が付きにくいというユーザーにとって理想的なものでした。
ちなみに、アクリルウレタン塗料は約5年、アクリルシリコン塗料は約10年で光沢が約20%も減少してしまうとのこと。一方でSFCは20年たっても光沢が90%保持されているとのことで好評となり、他の日産車にも展開されました。また、その後「スーパーファインハードコート」(SFHC)へ進化しました。
●日産「エクストレイル」:傷が付いても復元する「スクラッチシールド(スクラッチガードコート)」
2000年発売の日産「エクストレイル」は、悪路走行もこなしながら乗用車ライクな使い方をメインとする仕様で登場したSUVです。
このエクストレイルには、2005年12月に世界初となる塗装が採用されました。細かなすり傷が付いても復元する「スクラッチガード」です。特別仕様車「スクラッチガードエディション」が設定され、カラーは「ダイヤモンドブラック」1色のみが用意されました。
その後、2007年に登場した2代目エクストレイルには、スクラッチガードが進化した「スクラッチシールド」が、ブラック以外の全色に標準採用されました。
また、「フーガ」や「シーマ」「スカイライン」「フェアレディZ」などさまざまな上級モデルに採用が進みました。
それまでは、特に黒いボディカラーは洗車の傷が目立ちやすく、また、雑草などをかき分けて進むような道だと塗装面の細かな傷などは悪路走行の代償として諦めざるを得ないのが常識でした。
しかし、軟質樹脂配合のクリヤー塗装で実現したスクラッチガードやスクラッチシールドにより、洗車によるすり傷、日常使用での引っかき傷程度なら、時間がたてば復元してくれるようになりました。
また、一般のクリヤー塗装と比べ傷が付きにくくなったことで、水はじきも良く、ツヤや光沢が持続する点も魅力です。
なお、トヨタ車やレクサス車でも、自己修復性耐すり傷塗装の「セルフリストアリングコート」が設定されているモデルが増えています。
もちろんこれらは、硬貨で傷を付けられたなどクリヤー塗装が剥がれるような深い傷や、クリヤー塗装自体が切断された場合は復元できないこともあります。
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