見た目だけで判断しないで! 機能と美学をまとったクルマのこだわり塗装モデル5選
クルマがまとうボディカラーは、単なる見た目以上に、機能や美しさ、仕上がりへのこだわりを追求して塗装されたモデルが多くあります。今回はそのような「こだわり塗装モデル」を紹介します。
熱くなりにくい塗装
クルマを選ぶ要素としてスタイリングは重要ですが、スタイリングを引き立てて、クルマをよりかっこ良く演出する要素としてボディカラーも大切です。
そのため自動車メーカーは、カラーのバリエーションをただ増やすだけではなく、塗装に特徴を持たせたクルマもラインナップしています。今回はそのような塗装にこだわったクルマを紹介します。
●トヨタ「プリウス」:熱くなりにくい「サーモテクトライムグリーン」
トヨタのHV(ハイブリッド車)である「プリウス」は、2015年に4代目モデルが登場しました。
HVモデルが増える中でプリウスへの注目度が相対的に低下しているためか、新型プリウスには斬新なデザインや数々の先進安全装備が採用されましたが、塗装も例外ではありませんでした。
このとき世界初の塗装として加わったのが、遮熱機能を持った「サーモテクトライムグリーン」です。
効果は、同色系のイエローグリーンと比べると表面温度で5度程度の差が出るとのこと。ちなみに、ライムグリーンという名前ですが、見た目は少し青系の蛍光イエローのような色味です。
通常の塗料は、色に深みを出す際にカーボンを使うことが多いですが、サーモテクトライムグリーンはチタンを使っています。熱を吸収するカーボンではなく熱を反射するチタンを使い、遮熱の機能を持たせたわけです。
なお、他の色でもチタンで同様の効果を出せますが、色味によって遮熱効果が小さくなることが分かり、効果が高いサーモテクトライムグリーンにチタンを採用したとのことでした。
サーモテクトライムグリーンは、プリウスのほかにも、初代「アクア」や「ヤリス」にも採用されています。
しかし、かなり個性的なカラーであったためか、プリウスはマイナーチェンジ後に廃止され、2021年にフルモデルチェンジした現行の2代目アクアも設定されなかったことを考えると、今後の展開は厳しい状況のようです。
毎年猛暑が当たり前となってきている現在、オーソドックスなサーモテクトカラーの登場も期待したいところです。
●トヨタ「センチュリー」:別次元の美しさを実現した最高級「7層塗装」
トヨタブランドの最高峰モデルである「センチュリー」は、2018年に21年ぶりにフルモデルチェンジしました。
センチュリーはオーナードライバー向けではなく、要人や企業の重役を乗せるために開発されたショーファードリブンです。
そのため、高級車の中でもさらにその品質を極めたモデルに仕上げられています。塗装も一般的な工程とは異なるこだわりの塗装がおこなわれています。
一般的なモデルの塗装は3層から4層ですが、センチュリーの塗装はなんと7層。そして、3度水研ぎし、バフ研磨し、鏡のような仕上がりとなっています。
なお、設定されているカラーは「神威(かむい)エターナルブラック」「摩周シリーンブルーマイカ」「飛鳥ブラッキッシュレッドマイカ」「精華レイディエントシルバーメタリック」の4種類で、名称にもこだわりが感じられます。
塗装になんと約40時間も要しているというセンチュリーを見る機会があれば、自分の姿を高品質塗装のボディに映してその仕上がりを堪能してみてください。
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