寒くてエンジン始動不能!? バッテリーが原因かも? バッテリーの寿命を左右する3つポイントとは

バッテリーについて知っておきたい3つのポイントとは

 クルマを動かすのに必要なバッテリーですが、寿命はどれくらいなのでしょうか。

 バッテリーの使用頻度や条件によって寿命は異なり、最長期が6年間、最短期間1年間程度というケースもありますが、おおむね3年から4年間が平均寿命と考えられます。

 都内の自動車整備工場に勤務するメカニックのM氏に話を聞いてみると、「バッテリーの寿命を左右する要素はさまざまですが、ユーザーにもぜひ知っておきたいことが3つあります」といいます。

ボンネット内に収められているバッテリー
ボンネット内に収められているバッテリー

 1つ目は、正常なクルマでも停止中に微弱な電気を必要としていて、電気が流されているということです。

 この電気は、コンピューターやオーディオ、時計が「記憶」するためのもので、正常なクルマならば消費電力はごくわずかです。

 電気の量は、エンジンをかけない期間が半月程度なら気にする必要はありませんが、数か月単位でクルマを使わっていない場合はバッテリーの電気を使い尽くす「バッテリーあがり」を起こすことがあります。

 エンジンが稼働している間に発電機を回し、バッテリーを充電します。そのため、出来れば半月に1回程度は十数km程度走行をしてバッテリーを充電すると良いといいます。

 また、「バッテリーの電気がもったいないから出来るだけライトはつけない」という人が時折いますが、電気は発電機によって十分に発電されてバッテリーに充電するので、過剰に節電する必要はないそうです。

 2つ目は、アイドリングストップ車はバッテリーに過酷ということです。

 アイドリングストップ車は自動でエンジンが停止し、自動でスターターモーターが回ってエンジンを再始動します。

 つまり、アイドリングストップのたびに多くの電気が使われ、すぐに急速に充電されているのです。

 この動作はバッテリー内部に負担がかかるので、アイドリングストップ車は専用バッテリーを使用するように指定されていますが、それでも寿命は短くなりがちです。

 ちなみに、アイドリングストップ車でなくても、エンジンを止めて発電機が作動していない状態でオーディオを使ったり室内灯を点けていると、バッテリーが上がることがあります。

 また、上がったバッテリーの内部は急速に劣化が進行しており、早く元通りにしようと充電器で急速充電をすると、これも内部を痛めてしまうことになるので注意が必要です。

 3つ目のポイントは、高性能バッテリーならではの特性です。

 最近のバッテリーは化学反応が良く起こるように改良されており、寿命となる直前まで本来の性能を発揮します。

 標準的なバッテリーは寿命が近づくとスターターモーターの回り方に勢いがなくなって、それによってバッテリーの寿命が近いことを察知することができましたが高性能バッテリーは定期的な点検でバッテリーの状態を判断しなければならなくなっています。

 では、バッテリーの寿命を延ばす方法はあるのでしょうか。

「頻繁なエンジン始動と停止を繰り返さない、長期間クルマを使わないなどバッテリーが上がってしまう状況を作らない、バッテリーの温度変化を緩やかにしつつ、風通しを良くすることなどで多少の延命が出来るかもしれませんが、決定的な対処法はありません」(整備士 M氏)

※ ※ ※

 バッテリーはあくまでも消耗品のひとつですが、最近は定期点検やオイル交換すらせずに車検だけを受けているだけで、その間乗りっぱなしになっているクルマが多いとM氏は指摘します。

 せめて半年に一回程度、クルマの状態をチェックしていれば、バッテリー上がりをはじめとしたトラブルを回避できるでしょう。

 プロにクルマを診てもらうのは車検のときだけだったりすると、整備工場やディーラーの対応も難しくなってしまうものです。

 そのため、定期的なクルマのチェックとともに、クルマの面倒を見てくれる「かかりつけ医」として整備工場やディーラーと日ごろから良い関係を築くことが大切だといえそうです。

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