歴代車のなかでもダントツのカッコよさ! シリーズ屈指のスタイリッシュモデル3選
長い歴史のあるモデルでも、デザインは代によって刻々と変化してきました。そんな変遷のなかでも、とくにスタイリッシュなモデルも存在。そこで、シリーズ屈指のカッコよさを誇るクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
シリーズ屈指のスタイリッシュなモデルを振り返る
クルマのデザインは販売台数を左右する重要な要素のひとつですが、時代ごとの流行やニーズによって変化を続けてきました。
そのような経緯から長い歴史のあるモデルでも代によってデザインは刻々と変化し、なかには一世代違うだけでも、デザインがガラッと変わったケースも珍しくありません。
また、モデルによっては通常のラインナップとは異なる「派生車」も存在し、同じ車名の系列でもデザインが大きく異なるモデルもありました。
そこで、代を重ねたクルマのなかでもシリーズ屈指のカッコよさを誇るモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産3代目「サニー クーペ」
日産は1966年に、ダットサン「サニー」を発売。マイカー時代到来に向けて開発された大衆車で、直後に登場したトヨタ「カローラ」と共に人気となりました。
その後、1970年に登場した2代目では高性能グレードを設定してレースでも活躍するなど、大衆車であると同時に若者にも訴求するモデルへと変貌。
さらに1973年にデビューした3代目では海外市場を見据えてボディを大型化し、2ドア/4ドアセダンを主力にスタイリッシュな3ドアハッチバッククーペがラインナップされました。
3ドアハッチバッククーペは大きく分けて2タイプあり、ひとつが1.2リッター直列4気筒OHV「A12型」エンジンを搭載する「サニー クーペ」で、もうひとつが1.4リッター(後に1.6リッターが追加)直列4気筒SOHC「L14型」エンジンを搭載する「サニーエクセレント クーペ」です。
フロントフェイスは逆スラントノーズの精悍なデザインで、ルーフの前端からリアハッチの後端まで緩やかなカーブを描きながら傾斜するラインは美しいサイドビューを演出。
また、サニーエクセレント クーペのテールまわりは専用デザインの丸形6灯式ライトを採用し、独特な形状のCピラーと三角形のクオーターウインドウも併せ、当時のモデルとしてはかなり斬新でした。
スタイリッシュなサニー クーペは若者から支持され、日本のみならずアメリカをはじめ海外でも人気を獲得しました。
●トヨタ「カローラセレス」
かつてセダンのフォルムというと典型的な「3ボックス」と決まっていましたが、近年デビューしたセダンでは流麗なクーペスタイルを採用するモデルが増えています。
また、同時に全高が比較的低いモデルも散見され、ロー&ワイドなシルエットが強調されており、スポーティな印象となっています。
そんなスタイリングの先駆者だったのが、1992年に登場したトヨタ「カローラセレス」です。
カローラセレスは1991年にデビューした7代目カローラシリーズの派生車として開発され、販売チャネル違いの姉妹車に「スプリンターマリノ」がありました。
1985年発売のトヨタ「カリーナED」の大ヒットによって、当時のセダンには4ドアハードトップブームが到来しており、カローラセレスはそんなトレンドをキャッチアップしたかたちでした。
居住性よりも外観デザインを重視しており、全高は1315mmとベースのカローラセダンよりも70mmも低くされており、現行モデルのカローラもロー&ワイドな印象がありますが、それでも全高は1435mmあり、カローラセレスの低さが際立っています。
トップグレードの「G」には「カローラ レビン」譲りの最高出力160馬力を誇る1.6リッター直列4気筒DOHC20バルブ「4A-GE型」エンジンが搭載されるなど、アグレッシブな見た目だけでなく走りもスポーティでした。
その後、1995年にカローラが8代目にフルモデルチェンジすると、カローラセレスはエンジンなどがアップデートされたうえで継続して販売され、1998年に生産を終えました。
●ホンダ3代目「オデッセイ」
2021年をもって国内向けの生産を終えたホンダ「オデッセイ」は、かつては日本のミニバン市場をけん引したモデルでした。
初代オデッセイは1994年に誕生し、5代目「アコード」のプラットフォームをベースに開発され、低床の広い室内に、セダンと変わらないドライビングフィールを実現したことから大ヒットを記録しました。
その後、1999年には初代からキープコンセプトとした2代目が登場し、2003年には大きくコンセプトを変えた3代目が登場。
3代目オデッセイのボディサイズは、全長4765mm×全幅1800mm×全高1550mm(2WD)と、それまでのミニバンの常識を覆すほど全高が低く設定され、スタイリッシュかつスポーティなフォルムを実現。
一方で、フロア構造の工夫によってさらなる低床化が可能となり、室内高は2代目よりも5mm高く、閉鎖的な印象はありませんでした。
また、低い全高は立体駐車場に対応しただけでなく低重心化という副産物もあり、4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションと相まって、運動性能も高く評価されました。
2008年に登場した4代目も低全高を継承しましたが、5代目では再び大きくコンセプトが変わり、全高を高くして後部ドアがヒンジ式からスライド式に改められるなど、一般的なレイアウトのミニバンとなり、2021年12月をもって歴史に幕を下ろしました。
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クルマデザインはスケッチから始まり、粘土(クレイモデル)によって立体化してさまざまな検証をおこなったうえで決定するという、基本的なプロセスは昔から変わっていません。
しかし、近年は3DCGに代表されるシミュレーションツールの進化や、新たな生産技術の確立によって、かつては不可能だったようなデザインも可能となりました。
今後、EVの普及も加速するとみられ、クルマのデザインも大きな変革の時を迎えたといえるでしょう。
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