メルセデス・ベンツ、今年初の年間首位か 好調な国内販売、ユニークな戦略

なぜメルセデス・ベンツは自らイメージを壊すのか

 特にコンパクトクラスは、ここ数年で一気に充実したカテゴリー。正統なハッチバックに生まれ変わった「Aクラス」をはじめ、モダンな4ドアクーペの「CLA」、そのワゴン仕様である「CLAシューティングブレーク」、そしてクロスオーバーSUVの「GLA」と実に多彩です。

 そしてこれらのモデルでは、PR活動としてオリジナルアニメーション製作を行った「Aクラス」や、人気ゲームソフト『スーパーマリオブラザース』とのコラボCMなど、従来の「メルセデス・ベンツ」のイメージを大きく覆したユニークな戦略が試みられ、お茶の間の話題をさらいました。

 これらの試みは、新型モデルの訴求だけでなく、従来までの「メルセデス・ベンツ」のイメージである「良いものだけど高価」「最後にたどりつくべきクルマ」「お金持ちのクルマ」という、高級ブランドとしての揺るぎない価値を認めるがゆえ多くの人が感じていた“敷居の高さ”を、打ち破る狙いがあったのです。

 もちろん、既存オーナーからどんな反応があるのかという心配はあったといいますが、「メルセデス・ベンツの堅苦しいイメージを払拭してくれた」など好意的な意見も多かったそうです。

 またインポーターとして商品戦略をより明確に打ち出したことも、顧客の心をつかんだといえます。メルセデス・ベンツは今年を「エンジン革命の年」と題し、クリーンディーゼル導入を積極的に推進。世界で最も厳しいといわれる日本の排ガス規制の「ポスト新長期規制」に適合すべく、本国仕様とは異なる専用エンジンを搭載したモデルを続々導入し、国内最多の11車種にクリーンディーゼルモデルを揃えるなど、メルセデス・ベンツなら様々なクリーンディーゼル車が選べるというイメージを定着させつつあります。

 特に、今年の後半から投入された、クリーンディーゼルハイブリッドの「S300h」は、1540kmの長距離走行テストを行い、その模様をCMにするなど、大柄なクルマでも環境性能と走りの良さの両立できることを示し、注目を集めています。

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