忘年会&新年会シーズン到来!いま流行りの「微アル」でクルマの運転はセーフ? アウト?
「微アル」も法律上はアルコールでないとされているが…
では、最近登場した“微アル”と呼ばれるビールテイスト飲料はどうでしょうか。
このジャンルでは、アサヒが2021年6月に「BEERY(ビアリー)」を、サッポロが同年9月に「The DRAFTY(ザ・ドラフティ)」を投入、コロナ禍であらためて注目される「健康」も視野に、市場拡大を見込んでいます。
ビールとしては販売されないこれら商品も、先に紹介したノンアルコールビアテイスト飲料のように、飲んだあとに運転しても大丈夫なのでしょうか。
答えは、「NO」です。
我が国では、その商品が「お酒にあたるか否か」が、酒税法で「アルコール分1度以上の飲料(中略)をいいます」と規定され、アルコール分1度(1%)未満の飲み物はビールではなく、清涼飲料などと同等に扱われます。
つまり“微アル”飲料、アルコール分0.5%のBEERY、同0.7%のThe DRAFTYとも、法律上は「お酒ではない」とされています。
しかし、たとえアルコールの度数が低く、分類上はお酒扱いされないとしても、これらを飲めば、アルコールを摂取することになります。
そのため両社とも「本商品は、微量ながらアルコールが含まれるため、運転される方は飲用をおやめください」(アサヒ)、「アルコールを含んでいるため、運転者は飲用をおやめください」(サッポロ)といった内容を公式サイトに掲載し、運転する前にこれら“微アル”を飲んではならないと注意を呼びかけています。
また先に述べたように、飲酒運転の取締りでは「何を飲んだか」にかかわりなく、呼気中アルコール濃度をもとに酒気帯び運転の判定をおこないます。そのためこうしたアルコール度数の低い“微アル”でも、飲む量によっては酒気帯び運転で摘発される可能性もゼロではないのです。
もちろん「だったら1本や2本飲んだだけなら、検問にあってもクリアできるんじゃない?」と考える人もいるかもしれません。
ところが、警察庁が興味深い研究内容とその結果を、公式サイトに掲載しています。
その研究内容は、複数の被験者にワインを規定量摂取してもらい、シミュレータによる反応速度を測るというものです。
そして実験の結果、現在取締りの対象とならない「呼気中アルコール濃度0.10mg/L」であっても、飲酒の影響が見られたとしています。つまり摂取したアルコールが酒気帯び運転での基準値以下であっても、事故のリスクは高まると考えられるのです。
もし事故を起こせば被害者、そして加害者であるドライバーの人生は大きく狂います。「“微アル”だから大丈夫」ではないことをきちんと理解し、宴席に出るときには電車やバスなどの公共交通機関や、運転代行などを使うよう、心がけてください。
「だったら1本や2本飲んだだけなら、検問にあってもクリアできるんじゃない?」
の答えを書いて欲しかった……