ダイハツ「ロッキー」&トヨタ「ライズ」に待望のHV追加! 走りも燃費も「お値段以上」!?
コンパクトSUVの人気モデルであるダイハツ「ロッキー」・トヨタ「ライズ」にハイブリッドモデルが追加されました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
エンジンが発電する「シリーズハイブリッド方式」を採用
「流行のクロスオーバーSUVに乗りたいけど、運転しやすいコンパクトなサイズがいい」、そんなユーザーの本音を形にしたモデルが、ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」です。
2019年11月の登場から2年、初の改良が実施されました。注目されるのは、良品廉価な電動化パワートレインを目指した「eスマートハイブリッド」の追加です。
昨今クルマの電動化は著しいですが、アフォーダブルな価格で販売されるコンパクトカーは費用対効果が出にくいのも事実です。
むしろ「小さくて軽い」クルマにしたほうがCO2排出量低減効果はあるといわれており、実際にダイハツ「ミライース」のCO2排出量はハイブリッド車にも負けず劣らずの数値です。
しかし、カーボンニュートラル時代に向け、さらなるCO2低減のためには「コンパクトモデルも電動化は必須」という判断から、eスマートハイブリッドを搭載したロッキー・ライズが開発されたといいます。ただし、「価格は抑えて」という制約のなかでです。
ちなみにダイハツの電動車開発の歴史は古く(1960年代から)、2005年に「ハイゼット・ハイブリッド」を発売。
しかし、販売価格の高さ(211万円)から普及には至らなかった反省から、今回はトヨタグループのメリットを用いて良品廉価なシステムを開発しました。
そのシステムを簡単に説明すると、エンジンで発電した電力でモーターを駆動させる「シリーズ式」を採用。
発電用エンジンは新開発された直列3気筒1.2リッター(82馬力/105Nm)で、駆動用モーターは106馬力/170Nmを発揮。
リアシートクッション下に配置されるリチウムイオンバッテリーは0.73 kWhから0.74kWhの容量となっています。
気になる重量はガソリン車から80kgから90kg増で、eスマートハイブリッドはまさにコンパクトモデルに最適なシステムといっていいでしょう。
電動車のメリットである給電機能も抜かりなしで、ディーラーオプションながら最大1500Wまで使えるAC100Vアクセサリーコンセントを用意しています。
今回は東京都内中心部の一般道と首都高速で試乗をおこないました。その印象を一言でいうと、「電動車らしさ」と「電動車らしからぬ」が良い意味で共存した走りです。
もう少し具体的に説明していきましょう。
「電動車らしさ」という部分は、モーター駆動特有の発進時の応答性の良さや滑らかなフィーリングといったドライバビリティ、そして電動化のよる重量増を感じさせないどころか余裕を感じる力強さという点です。もちろんバッテリーの残量があれば約40kmまでEV走行も可能です。
さらに加減速の調整をアクセルペダルで可能にする「スマートペダル(S-PDL)」も用意。
スマートペダル機能をオンにするとリズミカルに運転はできますが、アクセルを離したときの減速感はメリハリがあるので上手にアクセルコントロールしないと乗員が揺すられる恐れがあります。
じつは、オフ時でも緩い減速Gが出る設定になっていますが、減速度が少なめながらも滑らかで自然な制御になっており、個人的にはオフで十分かなと思いました。
逆に「電動車らしからぬ」部分はエンジンが意外と主張している点です。
バッテリー容量が少ないので発電のために頻繁にエンジンが始動。同じシリーズハイブリッド方式を採用する日産の「e-POWER」はエンジンの存在をできるだけ隠そうとしているのに対し、ダイハツのeスマートハイブリッドは発電中にエンジンがかなり主張します。要するに、車内に入る音はそれなりに聞こえるということです。
ただ、振動を上手に抑えた上にさり気なくエンジン始動をするので嫌な感じはしません。
逆にエンジン始動時はアクセル開度に応じてエンジン回転を上手に高める制御で、アクセル開度(50%くらい)までのフィーリングは普通のガソリン車に近いです。
eスマートハイブリッド搭載車の気になる燃費は、一般道や首都高速を交通の流れに沿って走って28km/Lから29km/Lを記録しました。
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