「体調急変→車が運転」実現間近の機能を公道で試してみた マツダ先進システムの実力は?
マツダの先進運転支援機能「CO-PILOTコンセプト」を、筆者が東京の公道で体験。システムはドライバーの「異常」を受けて、安全な場所にクルマを無事停止させることができたのでしょうか。
3つの状況を想定 「緊急時」にクルマはどう動く?
マツダが2022年に実用化する「CO-PILOT(コ・パイロット)コンセプト」を、筆者(桃田健史)が公道で体験しました。
CO-PILOTコンセプトは、先進的な運転支援機能(ADAS)のひとつです。運転中にドライバーが急な体調異常や強い眠気に襲われた場合などに、クルマのシステムが運転を引き継いで安全な状態で停止する仕組みです。
筆者はすでに、広島県三次市のマツダ三次自動車試験場で試験車を運転し、CO-PILOTコンセプトを体験しています。
その際、試乗がテストコース内であったことから、運転中に故意に運転姿勢を大きく崩したり、両目を閉じたりして、ドライバーの異常状態を模擬しました。
今回は、試乗の場所を東京・お台場の公道に移し、CO-PILOTコンセプトがリアルワールドでどのような“振る舞い”をするのかを体感しました。
なお、このときの試乗は警察庁による高度運転支援システム公道実験でのガイドラインに従うなど、道路交通法を順守するため、運転はマツダ関係者がおこない、そのマツダ関係者が車内の緊急ボタンを押すことでCO-PILOTのシステムを作動させる形としました。
そうした操作の様子と、CO-PILOTシステム作動後のクルマの“振る舞い”を、筆者は助手席から見ることになりました。
CO-PILOTコンセプトの作動は、3つの状況を想定しておこないました。
最初は、基本動作(車線変更を含む路肩退避)です。
片側2車線の直線路で緊急ボタンを押すと、左斜め後方に車両がいないことをシステムが確認し、左へ車線変更し、それからさらに減速して路肩に寄り、前方の軽貨物車の手前で完全に停止しました。
車内には、ヘルプネットに接続するというアナウンスが流れました。
次に試したのは路肩駐車車両の側方通過(他車の外乱)です。しかしこれは、想定とは違う結果となりました。
片側2車線の直線路を進み、青信号の交差点の手前で緊急ボタンを押しました。交差点内には左折車線に二輪車がおり、システムが二輪車を検知して徐々に減速し、車線内で停止する旨のアナウンスが流れて、交差点内を過ぎた横断歩道手前で停止しました。
当初は路肩駐車車両の横を通過するシナリオでしたが、現実は二輪車がいたことでシステムの行動が変わったのです。
マツダのエンジニアによると、「今回は二輪車がいたため、システムが同一車線での停止を優先させた」と説明します。マツダの開発ポリシーとして、できるだけ安全な状態で車両を停止させることを優先しているのです。
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