車名は受け継いだもののイメージと違う!? コレジャナイ感が強い車3選
2021年11月11日(現地時間)に、アメリカホンダはアキュラブランドの新型「インテグラ」(プロトタイプ)を世界初公開しました。ところが、多くのユーザーの意見として「インテグラのイメージと違う」という声が噴出。そこで、車名と見た目のイメージがアンマッチだったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
コレジャナイ! という声があがったクルマを振り返る
2021年11月11日(現地時間)にアメリカホンダは、10月に予告していたとおりアキュラ新型「インテグラ」のプロトタイプを世界初公開しました。その発表会の様子をYouTubeのアキュラ公式チャンネルでライブ配信したところ、意外な事態となってしまいました。
新型インテグラ発表のライブ配信に対しての評価は、2021年11月25日時点で高評価が約2000件に対し、低評価が約6900件と、圧倒的に低評価が多い状態です。
一般的に動画のクオリティや内容についての評価なのですが、このライブ配信のコメント(チャットコメントを含む)を見ると「インテグラのイメージと違う」「シビックSiの外装を変えただけ」「アキュラ ILXと変わりない」など、いわゆる批判コメントが多数寄せられ、評価の良し悪しも新型インテグラに対するものだと推測できます。
多くの視聴者はインテグラという車名と外観デザインの乖離を指摘していますが、車名は各メーカーの登録商標になっているため、過去に生産を終了したモデルから使いまわすことは珍しくなく、さらにフルモデルチェンジで大きくコンセプト変わるケースもあります。
そこで、新型インテグラと同様に「コレジャナイ感」が強いモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「ブルーバードシルフィ」
かつて、日産のセダンラインナップは、エントリーモデルの「サニー」から、ショーファードリブンの「プレジデント」まで、豊富な車種を展開していました。なかでも中核を担っていた1台が「ブルーバード」です。
初代ブルーバードは1959年に誕生。デザインもメカニズムも従来のモデルから大きく進化を果たしました。
その後、代を重ねるとラリーに代表されるモータースポーツで活躍し、高性能の「SSS」グレードがブルーバードの看板モデルとなり、スポーティなミドルクラスセダンというイメージが定着。
そして、1996年に10代目の「U14型」へモデルチェンジされ、デザインもエッジが効いたシャープな印象となり、エンジンもガソリン車は自然吸気に回帰し、1997年には最高出力190馬力を発揮する「SR20VE型」エンジンを搭載する「2.0 SSS-Z」が追加設定されるなど、スポーツ路線が継承されました。
ところが、2000年にフルモデルチェンジすると、プラットフォームは9代目サニーがベースとなり、車名も「ブルーバードシルフィ」に変更されました。
外観は先代のスポーティな印象ではなく、メッキで加飾されて高級感を演出したフロントフェイスに一新。
エンジンも新世代の直列4気筒エンジン「QG型」「QR型」が搭載され、1.5リッター、1.8リッター、2リッターをラインナップ。トップグレードの「20XJ」でも2リッターから最高出力150馬力と、スペック的には「普通のセダン」となってしまいました。
ブルーバードシルフィはサニーと同クラスながら上質なセダンというコンセプトでしたが、伝統的なブルーバードのイメージから大きく変わってしまい、優れた環境性能ながら販売台数は伸びることはありませんでした。
2005年には2代目にフルモデルチェンジを果たし、2012年に3代目がデビューすると車名は「シルフィ」に改められ、ブルーバードの名は消滅しました。
なお、コアなファンのなかにはブルーバードシルフィをブルーバードのシリーズと認めず、U14型を最後のブルーバードと呼ぶ人もいます。
●ホンダ「CR-X デルソル」
ホンダは1983年に、スタイリッシュな3ドアファストバッククーペのFFスポーツカー「バラードスポーツ CR-X」を発売。
基本的なコンポーネンツは3代目「シビック」と共有していましたが、シビック3ドアよりも軽量コンパクトなボディにパワフルなエンジンが相まって、優れた走行性能を誇りました。
走り好きの若者から絶大な支持を得たバラードスポーツ CR-Xは1987年にフルモデルチェンジされ、スタイリングはキープコンセプトとしながらも、より高性能なエンジンを搭載した2代目「CR-X」が登場。
そして1992年に、3代目となる「CR-X デルソル(delSol)」が登場。2代目から大きくコンセプトを変え、タルガトップのオープン2シーターモデルへと生まれ変わりました。
CR-Xデルソルにはルーフの開閉機構によって2タイプに大きく分かれ、ひとつはルーフ部分を手動で脱着するモデルで、もうひとつが電動の「トランストップ」です。
トランストップはルーフ部分が折りたたみではなく、トランクに自動的に格納される非常にユニークなギミックを採用して大いに話題となりました。
また、上位グレードの「SiR」には最高出力170馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒VTECエンジンが搭載され、4輪ダブルウイッシュボーンの優れた足まわりを採用するなど、CR-Xの名に相応しい走りを実現していました。
ところが、トランストップは重量増につながり、2代目までのライトウエイトスポーツという印象は薄れ、さらにオープン化はボディ剛性の低下をイメージさせたことから、従来のCR-Xユーザーから敬遠されてしまい、ヒットするには至らず1998年に生産を終え、この代をもってCR-Xは消滅してしまいました。
CR-X デルソルは優れた走りのFFスポーツカーでしたが、オープンカーとなった背景には、1989年に発売されたユーノス「ロードスター」のヒットが影響したと想像できます。
しかし、「人馬一体」の走りを目指した軽量なFRスポーツカーだったロードスターの秀逸なコンセプトには、遠く及びませんでした。
●トヨタ「レビン」
トヨタは1966年に、初代「カローラ」を発売。サニーと同じく大衆車として大ヒットを記録し、トヨタの主力車種の1台となりました。
その後1960年代の終わりには各メーカーともモータースポーツへの参戦が活発になり、高性能車へのニーズが高まったことから、1972年に比較的安価な高性能モデルとして初代「カローラレビン/スプリンタートレノ」を発売。
トップグレードには初代「セリカ」用に開発した1.6リッター直列4気筒DOHC「2T-G型」エンジンを搭載するなど、たちまち走り好きの若者から人気となります。
同様のコンセプトで代を重ね、1983年に最後のFRモデルとして発売された「AE86型」は今も世界的に人気を誇り、もはや神格化されています。
そして、ニーズの変化から2ドアクーペの販売は低迷し、2000年に7代目の「AE111/110型」をもってレビン/トレノの歴史は幕を下ろしました。
ところが、2018年に開催された中国・広州国際モーターショーにおいて、中国向け新型カローラシリーズが発表されたのと同時にトヨタ「レビン」が登場。
パワーユニットはガソリン、ハイブリッド、プラグインハイブリッドがラインナップされており、外観はフロントフェイスなどが中国仕様のカローラから変更され、日本仕様のカローラに酷似したデザインを採用。
しかし、スペックなどはカローラと同一で高性能モデルではなく、あくまでも姉妹車という位置付けです。
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前述のインテグラと同じく、ホンダでは日本でかつて存在した「シティ」「エリシオン」「HR-V」といった車名が海外専用モデルで使われています。
また、トヨタは南アフリカなどで販売されているコンパクトカー(スズキ「バレーノ」のOEM車)に、「スターレット」の車名を付けています。
こうした施策は新たに登録商標を取得する手間とコストが削減できるだけでなく、往年の名車の知名度を利用する戦略もあるといい、まさにスターレットは後者の理由で使われている例です。
ホンダに本当に求められてたのは名前だけの偽りインテグラよりも
名前なんかプレリュードだろうが完全新規だろうが関係なく
ドアハンドルが見えにくいクーペもどきの5ドアハッチバックではない
『本当にリヤドアが存在しない正真正銘のFFクーペ』の復活だった
いや、今人気のシビックタイプRだって排気量も上がって車体もバカデカくなって、コレじゃない感満載なんですけど。