タクシーの「運ちゃん」呼称は差別用語? 世の中に浸透する「●ちゃん」は時と場合で使用控えたほうが良い訳とは
タクシーやトラックの運転手のことを「運ちゃん」と呼ぶことがありますが、テレビ業界などでは差別用語にあたるとして放送禁止用語にしているといいます。なぜ浸透している「運ちゃん」は差別用語と捉えられているのでしょうか。
昭和初期には登場していた「運ちゃん」という表現
タクシーやバスなどの運転手のことを「運ちゃん」と呼ぶことがあります。
ほとんどの場合、親しみを込めて使われるようですが、テレビ局などではいわゆる「放送禁止用語」として、原則として使用しない言葉に指定されているようです。
放送禁止用語とは、法律などで定義されたものではなく、あくまで放送局などが独自に定めているものです。
また、そのなかにもいくつかのランクがあり、絶対に使用すべきでない言葉や、番組の性格上必要があれば放送する場合のある言葉などに分かれていることが多いようです。
「運ちゃん」は、差別的な表現として捉えられる恐れがあるため、原則として使用しない言葉として扱われているようですが、そこにはどんな背景があるのでしょうか。
「運ちゃん」という言葉自体は、昭和初期には用いられていたようです。
昭和初期に活躍した怪奇小説家である西尾正が1934年に発表した「陳情書」には、「それまで石の様に黙り続けて居た男が、運ちゃん、ストップ、と陰気なかすれ声を発しました」という、自動車の運転手に対して「運ちゃん」と声をかける様子を見ることができます。
東京では1927年には都内を1円均一で走る「円タク」が登場しており、都市部で自動車を見掛けることが珍しくなくなってきた時代でした。
また「運ちゃん」という言葉を分解すると「運転手」を意味する「運」と、人名に対する愛称・敬称の「ちゃん」に分けることができます。
この「●ちゃん」という語は、「●さん」などと同様「●様」から転じたものといわれています。
「●様」は室町時代ころから、「●さん」は江戸時代中頃には見られていますが、「●ちゃん」の歴史は意外と浅く、明治時代以降に一般化したようです。
現代と同様、「●ちゃん」は子どもや目下の人を相手に親しみを込めて使用される場合が多く、それ自体に差別的な意味合いはありません。
「運ちゃん」という言葉は、乗り物を運転・操縦する職業のなかでも、タクシーやバスの運転手に対して用いられることが多いのですが、電車の運転手は議論が分かれるところだと思いますが、たとえば飛行機のパイロットや宇宙飛行士などを「運ちゃん」と呼ぶことはまずありません。
前述したように「●ちゃん」という表現は、親しみを込めて使用されることが多いため、絶対数も多く、一般の人々と触れ合う機会の多いタクシーやバスの運転手のほうが呼ばれやすいというのは必然のように思われます。
ただ、人によっては、親しみとは別に上下関係を明確にするために使用するケースもあります。
本来対等であるべき立場の人間が、「●ちゃん」と呼ばれることで不快感を覚えることは決して珍しいことではありません。
つまり、「運ちゃん」が差別的とされる背景のひとつには「●ちゃん」という表現によって、運転手と乗客という関係のなかに、必要以上に上下関係が強調されることを嫌うということがありそうです。
また、上司が女性の部下を「●ちゃん」と呼ぶことがセクハラに該当する可能性もあるように、たとえ親しみをもっていたとしても、TPOに即していない表現を使用することに嫌悪感を覚える人も少なくありません。
一方で、「●ちゃん」という表現すべてが放送上問題であるとされているわけではありません。
そう考えると、「運ちゃん」が差別的なニュアンスを含むのには、それ以外の部分にも理由があることが考えられます。
クリスチャン・ハンセン
差別問題を大げさに騒ぐ輩程、
本当は差別的な見方にとらわれており、
差別発言をしたものを差別して満足しようとしてる愚かな状況に見えるんだが、
差別問題を解決する真の方法は、
ひとそれぞれに違いがある事を認め合う事
多様性を認め合う事ではなかろうか。