果たして初代を超えられたか!? 第二世代が大いに魅力的だった車3選
名車と呼ばれるクルマは数多いですが、そうしたモデルのなかには、初代が偉大で2代目以降はあまり評価されないケースもあります。しかし、2代目でも秀逸なモデルも存在。そこで、第二世代も初代に続いて大いに魅力的だったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
大いに魅力的だった第二世代のクルマを振り返る
1989年に、マツダはオープン2シーターのFRスポーツカー、ユーノス「ロードスター」を発売しました。また、1997年には世界初の量産ハイブリッド車、トヨタ「プリウス」が誕生。
この2台は世界中のメーカーにも大きな影響与え、まさに世の中を変えたといえる偉業を成し遂げたクルマです。
ロードスターは初代のコンセプトを継承して、現行モデルは4代目ですが、やはり初代のインパクトを超えるまでには至っていません。
プリウスも販売台数や燃費性能については2代目以降で飛躍的に伸びましたが、初代の存在感は格別なものがあります。
大ヒットしたり大きな足跡を残した初代を超えることは非常に難しいことといえますが、2代目でも秀逸なモデルも存在。
そこで、第二世代も初代に続いて大いに魅力的だったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「フェアレディZ」
1969年に、日産は新時代のスポーツカーとして初代「フェアレディZ」を発売しました。典型的なFRスポーツカーのスタイリングであるロングノーズ・ショートデッキの美しいファストバッククーペボディに、エンジンなど主要なパーツは既存のものを使い、優れた走行性能ながら比較的安価な価格に設定したことで人気となり、とくにアメリカでは大ヒットを記録。
生産台数の8割がアメリカに輸出されたという逸話があるなど、初代フェアレディZはまさに日本を代表するスポーツカーへと登りつめ、今では神格化されたといっても過言ではありません。
そして、1978年には2代目がデビュー。外観デザインは初代からのキープコンセプトでしたが、よりモダンになったのと同時にボディサイズを拡大し、室内空間にも余裕をもたせ、よりグローバルでの競争力が向上しました。
さらにエンジンも、トップグレードの「フェアレディ280Z」に2.8リッター直列6気筒SOHCを搭載し、1982年には北米仕様に2.8リッターターボ、国内でも2リッターターボモデルが追加されるなど、スポーツカーとしてのポテンシャルが一気に高まりました。
足まわりも初代が4輪ストラットだったのに対し、2代目はフロントがストラット、リアはセミトレーリングアームを採用し、ブレーキも全車に4輪ディスクブレーキを装備するなど、高速域の操縦安定性と安全性が向上。
2代目 フェアレディZはより快適で使いやすいスポーツカーとして進化を遂げ、アメリカでも再び大ヒットしました。
●三菱「ランサーGSR エボリューションIV」
三菱は1960年代からラリーに代表されるモータースポーツへ積極的に参戦。排出ガス規制の強化から一旦は離れますが、1980年代には再び参戦を果たし、1987年には「ギャラン VR-4」が登場し、世界ラリー選手権(WRC)で活躍します。
そして1992年に、三菱はギャラン VR-4に代わる新たなラリーマシンとして、「ランサーGSR エボリューション」を発売しました。
当初は戦闘力が十分ではありませんでしたが短期間で改良を繰り返し、1996年には「ランサーGSR エボリューションIII」をベースにしたマシンでWRCにおいてドライバーのトミ・マキネン選手が初のドライバーズタイトルを獲得。
その後1996年8月に、大きく進化を果たした第2世代最初のモデル「ランサーGSR エボリューションIV」が発売されました。
特徴として、新たにツインスクロールターボを採用した「4G63型」2リッター4気筒ターボエンジンは、当時の出力自主規制の上限値である最高出力280馬力までパワーアップ。
また、三菱独自の旋回性能能向上システムで、後輪の左右の駆動力をアクティブに変化させる「アクティブ・ヨー・コントロール」(AYC)を初じめて搭載し、駆動系の電子制御化が図られました。
さらに新デザインのフロントスポイラー、サイドスカート、リアアンダースポイラー、新デザインのリアスポイラー、三菱独自のデルタ型ウィッカーなどエアロパーツを一新し、空力性能を向上。年々高速化するラリーでの空力合戦に対応しました。
第2世代のランサーGSR エボリューションはIVからVIまで進化し、市販車ベースのラリーマシンとしては最後の世代であり、名実ともに最強のストリートカーといえるでしょう。
●ホンダ「インテグラ」
2021年11月1日にアメリカホンダは、アキュラブランドから発売される新型「インテグラ」(プロトタイプ)を世界初公開しました。
インテグラといえばホンダを代表するFFスポーツカーとして2006年まで生産され、「タイプR」は伝説的存在です。
その初代にあたる「クイント インテグラ」は1985年に誕生。当初は全グレードともDOHCエンジン搭載した3ドアハッチバッククーペで、後に4ドアセダンと5ドアハッチバックを追加。
シビックと同セグメントのモデルながらスポーツマインドあふれるスタイリングから、高い人気を誇りました。
そして、2代目インテグラが1989年4月に発売され、2代目からは車名のクイントをなくしてインテグラとして登場。
さらにボディタイプは初代でラインナップしていた5ドアハッチバックを廃止し、2代目では3ドアクーペと4ドアハードトップの2タイプが設定されました。
エンジンはいずれも排気量は1.6リッターで、ZX/RXは最高出力105馬力を発生するデュアルキャブレター仕様を搭載。ZXi/RXi/TXiは電子制御燃料噴射システムのPGM-FI仕様となり120馬力を発生。そして、最上級グレードのXSi/RSiには、ホンダ独創のVTECエンジンが搭載されました。
VTECエンジンはエンジンの吸排気をおこなうバルブの開閉機構を可変式とし、バルブの開閉タイミングとリフト量を低回転域と高回転域で切り替えるものです。
その効果によって、高回転域のトルクを向上させながら低回転域のトルクを確保し、それまでの高回転型自然吸気エンジンではなし得なかったトルク特性を実現しました。
この画期的な機構によって、自然吸気ながら1.6リッターの排気量で最高出力160馬力という驚異的な高出力を達成。
以来、VTECエンジンはホンダ車を代表するエンジンとして、高性能車からエコカーまで幅広く搭載されるようになり、現在に至ります。
2代目インテグラの登場は、まさに大きなターニングポイントになりました。
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何代にも代を重ねたクルマというと、長く育てていくことが約束された秀逸なコンセプトをもって誕生したモデルといえるでしょう。
たとえば、冒頭に挙げたロードスターに追従したクルマは数多く存在しましたが、短命に消えてしまったモデルも珍しくありません。
しかし、ロードスターは代を重ねても高い人気をキープしており、まさに初代のコンセプトが優れていた証といえるでしょう。
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