ヴァイオリン「ストラディヴァリウス」と似ているクルマ 科学的にも立証
ヴァイオリンの名器「ストラディヴァリウス」。それと音色が似ているクルマがあり、科学的にも立証されているといいます。
イタリアの高級自動車とヴァイオリンの名器が
イタリアの高級自動車「マセラティ」と、ヴァイオリンの名器「ストラディヴァリウス」。この両者の音色が似ているということは、科学的に立証されているそうです。
この検証は2012年、「エンジン音快適化プロジェクト」を立ち上げたサウンドデザインラボと、中央大学理工学部精密機械工学科・戸井武司研究室が行なったもの。聞いた人の主観評価だけでなく、音圧や周波数、心拍数や脳内血流量の変化などの客観的指数を用いて分析、比較。その結果、特に加速性の高いスポーティな自動車のエンジン音とヴァイオリンの音には、多くの共通点があることがわかったといいます。
実験に使用されたモデルは、マセラティの「クアトロポルテ」(1175万円~)。クリエイティブ因子、迫力因子、スポード因子の得点がほかの自動車の音よりも高く、楽器のなかではヴァイオリンと似ている値が示されました。
さらにヴァイオリンは、数万円のものから数億円ともいわれる「ストラディバリウス」まで、4種類のヴァイオリンを用意。その結果、「クアトロポルテ」と最も類似性の高い音を出すのは「ストラディバリウス」だと判明しました。
その秘密は、音楽用語でいう「倍音」にあるそうです。実際、この検証を受け、以前ディーラーでミニ・コンサートを開催したヴァイオリニストの千住真理子さんも、「共鳴する力という点で、マセラティと『ストラディヴァリウス』はとても似ていると思います」とコメントしています。
奇しくもどちらもイタリア生まれ。現代のスポーツカーと数100年前のヴァイオリンが、同じように響くとは、不思議です。
【了】
提供:乗りものニュース
Writer: 大西紀江(ライター/編集者)
静岡・伊豆出身のライター、編集者。乗りものオタクの総本山ともいうべき某出版社の編集を経て、フリーランスに。以来、自動車を中心に模型から時計まで、幅広く執筆&編集を手掛ける。象の調教師の免許あり。