半導体不足でクルマの生産がピンチ!? そもそも半導体って何? どこに使われている?

今後は日本の半導体産業の復権も課題となる

 現代のクルマは、エンジンの制御はもちろん、テレマティクス、安全運転支援装備、快適装備に至るまで、あらゆる部分で半導体が使われています。

ドイツ・ヴォルフスブルクにあるVW「ゴルフ」の生産工場。新型ゴルフは2021年6月に日本に上陸した。また7月には「ゴルフヴァリアント」も上陸している
ドイツ・ヴォルフスブルクにあるVW「ゴルフ」の生産工場。新型ゴルフは2021年6月に日本に上陸した。また7月には「ゴルフヴァリアント」も上陸している

 自動車もコロナ禍で一時期は需要が停滞しましたが、2021年に入り、予想以上に早い回復を迎えることになります。ところがそこに半導体不足が直撃、生産の足を引っ張ることになったのです。

 もちろん、「足りなければ、増産すればいいのではないか」と疑問を持つ人も多いでしょう。

 ところが半導体は、原料の輸入から製品化まで数多くの工程が必要で、すぐに増産できるわけではありません。またそれぞれの工程に特化した専門の事業者がかかわっていることも、増産要求に即応することが困難な理由であるとも考えられます。

 では自動車メーカー各社は、販売の現場でどのように対応しているのでしょうか。

 生産計画の変更で、納車が遅れる場合は、そのむねを顧客に説明して理解してもらうこととなります。しかしクルマそのものは生産できるのに、装備品に影響が出る場合もあります。

 2021年10月7日に新型「アウトバック」を発売したスバルでは、「一部のアクセサリー用品のご注文を一時停止させて頂く場合や、納車時点での取り付けが出来ず、一定期間お待ち頂く場合がございます」としています。

 また一部の輸入車メーカーでは、本来標準装備となっている電動バックドアのフットセンサーやLEDヘッドランプが調達できないため、その分を値引きしての販売をおこなっているとのことです。

 もちろん、経済産業省もこの問題を見過ごしてはいません。

 2021年6月に発表したレポート「半導体戦略(概略)」では、半導体は今後の産業の発展を支える重要な基盤との認識を示しつつ、1988年に世界シェアの50%超を占めた日本の半導体産業が、2019年には10%まで凋落した要因などを詳しく分析し、「経済安全保障」の観点から今後の国内生産の強化、先端技術の研究などを打ち出しています。

“産業の米”ともいわれる半導体は、今後もその重要性がいっそう高まるはずです。このピンチをチャンスにして、日本の半導体産業の復権を願いたいところです。

クルマが作れない!? 半導体不足に悩む自動車メーカーを【画像】で見る(27枚)

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