納車まで1年以上!? トヨタ「ランクル300」スズキ「ジムニー」いま本格4WDに人気が集まる理由とは
2021年8月に登場したトヨタ新型「ランドクルーザー」。14年ぶりとなるフルモデルチェンジで注目されましたが、予約が殺到。いまでは納車まで1年以上、3年ともいわれるほどです。同様にスズキ「ジムニー」も1年以上といわれています。半導体不足で生産台数を増やすことが難しいという理由もありますが、やはり圧倒的な人気ということが背景にあります。最近、本格クロカン4WDに人気が集まる理由とはなんでしょうか。
納車まで最長3年待ち!? 人気絶好調の最新クロカン4WD
2021年も多くの新型車が発表されましたが、相変わらず好調なカテゴリーといえばSUVです。
トヨタは「ランドクルーザー300系」と「カローラクロス」を発売しましたが、とくに新型ランドクルーザーは納期が1年以上待ち(グレードやオプション装備によっては最長3年という情報もあり)という事態になっています。
市場を見渡すと、2018年7月にフルモデルチェンジしたスズキ「ジムニー」も、相変わらずの人気ぶり。一時は半年まで納期が短縮されましたが、世界的な半導体不足が影響して、再び1年以上待ちになっています。
こうした納期の長さは、いわゆるクロスカントリー4WDというジャンルで顕著に見られます。
クロスカントリー4WDは、ラダーフレーム式というボディ構造を採用しており、通常のモノコックボディ構造よりも部品点数、生産工程が多く、さらに半導体不足が追い打ちをかける状態になっています。
加えて、ランドクルーザー、ジムニーともに、海外輸出がメインの車種ということも納期の長さに影響しています。
ランドクルーザーは生産台数の9割が中東、ロシア、オーストラリアに輸出され、日本市場に出回るのはわずか1割ほど。ジムニーも割合こそは違いますが、やはり生産台数の多くが輸出用にさかれています。
ただし、日本市場への割り当てが少ないというだけで、この納期の長さの要因は語れません。そこには、日本市場でのクロスカントリ−4WD人気が、ここ数年で急上昇しているという事実が存在します。
なぜ、こうしたムーブメントが起きているのでしょうか。
世界では数年前からSUVがスタンダードになっていますが、日本もそれに追従しています。国産車メーカーは次々に新型SUVを投入し、どこを走ってもSUVばかりが目立っています。かつて、SUVは「人とは違うクルマを」という所有欲を満たすことができましたが、昨今はそれも変わってきました。
「SUV市場には、軽自動車からミドルサイズまでモデルが充実していますが、その反面で個性やライフスタイルを演出できるクルマから“乗りやすくて使いやすいクルマ”というポジションに変わってきている感があります。高齢者が積極的にSUVを選ぶようになったのも、その顕れではないでしょうか」(トヨタ系販売店営業スタッフ)
SUVがスタンダード化する一方で、ユーザーが着目したのがクロスカントリー4WDです。
クロスカントリー4WDはSUVに比べると高額ですが、その構造ゆえに頑丈で長持ち。卓越した悪路走破性も備えており、いわゆる“本物感”や“道具感”が外観からも滲み出ています。
加えて、そのデザインには昨今さまざまな市場で着目されている“ネオクラシック”という要素が多分に盛り込まれています。
ジムニーは現行型がデビューした際に「原点回帰」を謳い、ランドクルーザー300系もまたデザインヘリテージを多く盛り込んだことを発表しています。日本で販売好調のジープ「ラングラー・アンリミテッド」もまた、ウイリスMB以来のデザインアイコンを踏襲していることがウケている要因です。
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