見た目ではわからない高性能車! ギャップに萌える車3選
高性能車といえばハイスペックなエンジンを搭載するだけでなく、見た目にも速そうな外観なのが一般的です。しかし、見た目ではわからない高性能車も存在。そこで、外観とエンジン性能にギャップがあるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
爪を隠したハイパフォーマンスカーを振り返る
スポーツカーに代表される高性能車はハイスペックなエンジンを搭載し、優れたサスペンションや強化されたブレーキによって、走行性能と運動性能を高めています。
さらにスポーツカーは空力性能を高めるためのフォルムを採用し、各種エアロパーツが装着されているのが一般的です。
これは機能的な面だけでなく、見た目から速さをアピールすることもスポーツカーでは重要だからといえるでしょう。
一方で、外観からは想像できない高性能車も存在。そこで、見た目とエンジン性能にギャップがあるクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ブラボー MZ-G」
近年、日本の自動車市場でベストセラーに君臨しているのが軽自動車です。なかでも軽ハイトワゴン/トールワゴンは、軽自動車メーカーの主力車種となっています。
これら軽ハイトワゴン/トールワゴンが誕生する以前は、軽ワゴンといえば1ボックスタイプの商用バンをベースにしたモデルが主流でした。
1ボックスの軽ワゴンは4人の乗員と多くの荷物も積載できることから、パワー不足にならないためにも過給機付きエンジンを搭載するケースも多く、1991年に発売された三菱の軽ワゴン2代目「ブラボー」も同様にターボエンジンをラインナップしていましたが、かなり異色のモデルといえます。
トップグレードの「MZ-G」に搭載されたエンジンは「ミニカ ダンガンZZ」用に開発された、最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒DOHCターボで、1気筒あたり吸気バルブを3本、排気バルブを2本の5バルブを採用。
5バルブはかつてF1でフェラーリが採用するなど高回転化に特化した機構で、実際にMZ-Gのタコメーターではレッドゾーンが9000rpmからと、軽自動車でも屈指の高回転型エンジンでした。
なぜ軽ワゴンにこんなハイスペックなエンジンが搭載されたのかというと、当時の三菱は軽自動車用の高性能エンジンはこれしかなかったからという単純な話です。
その後も三菱は5バルブエンジンを幅広く展開し、クロカン車の「パジェロミニ」やトールワゴンの「トッポBJ」などでは、4気筒5バルブターボとさらにハイメカなエンジンが搭載されました。
●日産「サニー VZ-R」
日産は1966年に、マイカー時代の到来に合わせてダットサン初代「サニー」を発売。サニーは日産を代表する大衆車としてヒット作となり、1970年に登場した2代目からは高性能なグレードも設定し、レースでも活躍するなど、サニーは若者にも支持されるモデルとなりました。
その後もコンセプトを継承しつつ代を重ね、1998年に9代目がデビュー。この9代目では短期間ながら「VZ-R」という魅力的なスポーツセダンがラインナップされました。
VZ-Rに搭載されたエンジンは、7800rpmという高回転域で最高出力175馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「SR16VE型」で、スポーツコンパクトカーの「パルサーセリエ/ルキノ VZ-R」から移植。
組み合わされたトランスミッションは5速MTのみと走りを重視していましたが、外観はベーシックなグレードとほとんど変わりなく、標準ではエアロパーツも装着されていません。
サニー VZ-Rの識別方法はリアのエンブレムと専用の15インチタイヤと、かなりマニアックなグレードといえました。
しかし、2000年のマイナーチェンジでデザインの変更と共にグレードの縮小がおこなわれ、VZ-Rは消滅。わずか2年の販売だったため、いまでは激レアなモデルです。
その後、2004年にはサニー自体が生産を終え、長い歴史に幕を下ろしました。
●トヨタ「エスティマ」
前述の軽ハイトワゴン/トールワゴンと同じく、ミニバンもかつては1ボックスタイプのバンをベースとしたモデルが主流でした。そんななか、1990年に専用設計されたシャシの3列シート7人乗りミニバン、トヨタ初代「エスティマ」が誕生しました。
丸みをおびた外観デザインから、トヨタは「天才タマゴ」というキャッチコピーでPRし、エンジンを前席下付近に配置したミッドシップ・リアドライブを採用するなど斬新なモデルでした。
その後、2000年に登場した2代目ではオーソドックスなFFとなり、2006年に3代目へフルモデルチェンジ。この3代目では2016年に、フロントフェイスの刷新と安全運転支援システムの拡充が図られるなど、発売10年でビッグマイナーチェンジがおこなわれたことが大いに話題となりました。
そして、3代目のパワーユニットで注目されたのが、上位グレードに搭載された3.5リッターV型6気筒DOHC自然吸気「2GR-FE型」で、国産ミニバンでは初となる最高出力280馬力を達成しました。
このエンジンは後に「アルファード/ヴェルファイア」にも搭載されましたが、ロータスにも供給された実績もあります。
3代目エスティマは大排気量高性能ミニバンの先駆けとなりましたが、前述の2016年のマイナーチェンジで3.5リッターエンジンは廃止され、2019年10月に3代目をもって生産終了となりました。
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高性能なエンジンを搭載した異色のモデルはほかにも存在しましたが、今ではほとんどが淘汰されてしまいました。
もはや環境性能を重視することにシフトして久しい状況ということもありますが、やはりニーズがないというのも大きな理由でしょう。
現在、燃料価格が上昇していますが、ミニバンや軽自動車といった普段使いに適したモデルでは、より低燃費化が重要なため仕方のないことかもしれません。
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