三菱「ランエボ」だけど走り系じゃない!? エボと同じ心臓を持つ“非競技系”のモデルとは?
ワゴンやSUVでエボの心臓を持つモデルとは
三世代目のランサーエボリューション発売当時、ランサーセディアにはワゴンがあり、スマッシュヒットしていました。
ランサーセディアワゴンには直噴1.8リッターターボエンジンが搭載されていましたが、ハイパワーワゴンとして人気を博したスバル「レガシィ ツーリングワゴン」と比較するとパワーの上ではインパクト不足でした。
そして2005年に「ランサーエボリューションワゴン」は三菱流のハイパワーワゴンとして追加されました。
エンジンはMTとATで異なり、MTはエボリューションVIIIのもの、ATモデルはGT-Aと同等の272馬力を発揮しています。
また、本格的なワゴンボディだったため、ライバルのスバル「インプレッサ ハッチバック」を上まわる実用性も備えていました。
しかし、このクルマは単にランサーセディアのボディをランサーエボリューションのシャシに搭載したわけではありません。
前述の通り、ランサーエボリューションのシャシは3ナンバーサイズでしたから、ランサーセディアワゴンのボディを載せるにはリヤホイールハウスを広げる必要があります。
そのため、リヤドアからクオーターパネルまで、専用のブリスターフェンダー形状に変更されています。
外板形状を変更することは大変なコストがかかりますが、ランサーエボリューションワゴンは生産期間の割には非常にコストがかかったモデルといえます。
ランサーエボリューションワゴンは、重量ではセダンモデルより重く、絶対的な速さこそ劣りますが、ワゴンを待っていたランエボファンに好評をもって受け入れられました。
エボリューションの名を持たないものの、同じ心臓を持つSUVがありました。
2000年代の初め頃にSUVブームが起こり、トヨタ「ハリアー」などがヒットしていました。
三菱は本格的なRVは手慣れていたものの、乗用車感覚のSUVへの対応が遅れていましたが、そんななか、2001年にランサーセディアを基本とした乗用車SUVの「エアトレック」を発売します。
搭載エンジンは当初、4G63SOHC自然吸気エンジンと4G64DOHC GDIエンジンの2本立てでしたが、2002年に4G63ターボエンジンを搭載する「ターボR」を追加します。
エンジンの出力特性を日常域で使いやすいように変更したため、最高出力は240馬力に抑えました。
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ランサーエボリューションは、「エボX」最後の特別仕様車「ファイナルエディション」の納車が2016年3月に完了し、その歴史に幕を閉じました。
今回紹介したモデルはいまでは骨董品の領域に入りつつありますが、エボリューションモデルのバリエーションとして、記憶されていくことでしょう。
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