「いつ右折すればいいの?」 なぜ分かりづらい「時差式信号」のタイミング 独自対策で改善なるか

交通量の多い交差点では「時差式信号」という安全かつ円滑な交通を図るものが設置されています。しかし、SNS上では「右折するタイミングがわかりにくい」という声も見受けられます。なぜ右折のタイミングがつかみにくいのでしょうか。

時差式信号はなぜ設置される? 右折がしにくい原因はどこにある?

 交通量の多い交差点では、対向の青信号と時差を設けた「時差式信号」が設置されていることがあります。

 しかし、SNS上では「右折するタイミングがわかりにくい」という声も見受けられますが、なぜ時差式信号では「右折のタイミング」がつかみにくいのでしょうか。

安全のためなのに…「時差式信号」はなぜタイミングが分かりづらいのか
安全のためなのに…「時差式信号」はなぜタイミングが分かりづらいのか

 時差式信号が設置されている最大の目的は、右折車と対向車と交差しないように通行させ、安全かつ円滑な交通を進めることです。

 右折車専用の通行時間帯を設けることで、右直の衝突事故を低減しつつ、本来なかなか通行しにくい右折車をスムーズに促すことにも繋がるため、渋滞緩和の効果も期待できます。

 また、歩行者用信号機とも時差を設けられていることが一般的であるため、歩行者との交差も避けることができ、交差点全体の安全確保にも一役買っているといえるでしょう。

 一方で、そのような目的や役割を持った時差式信号ですが、SNSでは「右折しても良いかわかりにくい」という声が少なくありません。

 とくに矢印表示がない時差式信号では「もたもたしていたら赤になってしまった」「後ろからクラクションを鳴らされて怖い思いをした」という声が挙がっており、時差式信号の目的である、安全かつ円滑な交通を進められていないといえるケースも見受けられます。

 運転者が右折しても良いか判断しにくい理由としては、対向の信号が赤になっているか右折車側から確認できない点が挙げられます。

 右折や左折、直進など、矢印が常時される信号の場合では、自車が通行できるタイミングが比較的わかりやすいといえます。

 一方で、片側の青信号を延長するタイプの時差式信号では、右折車側は対向車側の信号機が赤信号になっているか確認することが困難です。

 このように、時差式信号では、対向車の信号機が確認できないために、右折車が右折しても良いか判断がしづらいという状況になっているといえます。

 時差式信号のなかでも、とくに右折のタイミングがつかみにくいのが「後発式信号」と「先発式信号」といわれています。

 後発式信号とは、右折車側の青信号が延長され、対向車線が赤信号になるタイプの信号で、時差式信号のなかでも設置件数が多いタイプです。

 一方の先発式信号は、右折車線がある方の信号が先に青になり、右折車がある程度流れた時点で、対向車線側の信号が青信号に切り替わるタイプの信号機を指します。

 後発式信号は前述の通り、いつ右折して良いのかわかりにくく、先発式信号は右折中や右折を開始した直後に対向車側の信号機が青に切り替わることもあり、意図せず直進車と交差しそうになってしまう可能性があります。

 このように、時差式信号には、交差点内の安全と円滑を促す目的がある一方で、右折がしにくかったり、タイミングによっては対向車と交差してしまうというデメリットもあります。

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