新車の多くがSUVかミニバンなのに教習車はセダン! 初心者が戸惑う運転感覚の違いとは

セダンと異なる、SUVやミニバンの運転感覚の特徴とは?

 教習車のセダンとは異なる、SUVならではの特性とはどのようなことがあるのでしょうか。元指導員(教官)のB氏に、運転するときの注意点とともに教えてもらいました。

セダンタイプの教習車
セダンタイプの教習車

 ・通常のセダンより広い横幅を意識して(とくに助手席側)、自分が考える10cmから20cm程度余裕を持った車両感覚で操作すること。

 ・車高が高くなったことで遠くまで見渡せる反面、クルマのすぐ脇や真下などに死角が多くなる。とくに助手席側の前後輪の位置をミラーなどで常に確認すること。

 ・車重アップに加え重心も高くなるため、コーナリング時に不安定な挙動になりやすい。進入までにしっかり安全な速度まで落とすこと(スローイン・ファストアウトの徹底)。

 ・4WDを採用する車種も多いこともあり、小回りは効かないと認識すべし。とくにUターンや駐車場などでは切り返しにも注意が必要。

 ・あまり悪路走破性を過信しないこと。セダンで走破が難しい道はSUVでも難しく、とくに雪道などグリップが低下した路面は、曲がらない・止まらない傾向がある。

 SUVのほかに人気ジャンルとなっているミニバンは、セダンともSUVとも違う運転感覚がさらに必要になるといいます。

 ミニバンは居住性を最大限確保するために、長い全長と長いホイールベース、四隅に配置されたタイヤなど、独特のレイアウトを採用していることを意識しておきたいところです。

 ・ロングホイールベースによる内輪差(ステアリングを切った状態で前輪と後輪が描く軌道の差)が大きくなるので、とくに交差点での左折時などは内側の巻き込みに注意。

 ・風の影響も受けやすく、重心も高いボディ形状を意識。SUV以上にコーナリングは不安定になりやすく、曲がりにくく止まりにくいということを意識してステアリング操作やブレーキ操作をすること。

 ・想像以上に背が高いボディ形状であることを忘れない。またロングホイールベースゆえの段差などの乗り越えにはアンダーフロアをすらないように注意。

 ・SUVと同様に死角が多いので、モニターに連動したバックカメラの映像を過信しない。車庫入れなどはきちんと目視しつつバック走行する。

 ・電動パワステなどで操作は軽くなっており、ボディサイズを忘れがち。とくに市街地では死角が多いので周囲への意識を忘れない。段差がないかも注視するべき。

 以上を踏まえると、一般走行では内輪差による巻き込みに注意が必要なのと、重心の高いボディ形状ならではの挙動の不安定さを抑える運転意識が求められているといえそうです。

※ ※ ※

 SUVやクロスオーバーには乗用車に近い感覚で乗れるモデルも多いのですが、ミニバンはワンボックスカーに近いロングホイールベース車特有の運転感覚を養う必要があります。

 普段乗り慣れないクルマに乗るときは、ボディ形状ならではの特性を考えた運転を心がけましょう。

【画像】教習生には見えないスピードメーターも!? 最新のセダンタイプの教習車(15枚)

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