幻の「カウンタック」が蘇った! ランボルギーニはいかにして「LP500」を製作したのか

いかにして「カウンタックLP500」は蘇ったのか

 カウンタックLP500オリジナルのデザインの歴史的な再構築のパートナーとして、ポロストリコは「ランボルギーニ・チェントロスティーレ」に目を向けたという。そこではランボルギーニのデザイン責任者、ミィティア・ボルケルト氏率いるチームが、非常にチャレンジングなプロジェクトに取り組むことになった。

1971年に発表された当時の姿。クラッシュテストに供され、写真のオリジナルの個体は現存していない
1971年に発表された当時の姿。クラッシュテストに供され、写真のオリジナルの個体は現存していない

●ポロストリコとチェントロスティーレが挑んだ、半世紀前の偉業の完全復刻とは?

「LP500は、後続のすべてのモデルのデザインDNAを生み出したことから、ランボルギーニにとってもっとも重要なコンセプトカーです。」とボルケルト氏は語った。

「1971年のジュネーヴ・ショーでデビューしたLP500に到着するために、1:1スケールのスタイリングモデルが開発されました。残念ながら、車両自体と同じく時間の経過とともに失われましたが、写真による広範な証拠が残っています。これは、私たちがプロジェクトに取り組むことを決めたのと同じアプローチです。

 当時の出版物から始めて、ホモロゲーションシートの画像やポロストリコから回収されたそのほかの資料から、最初の1:1スケールモデルを作成するために必要な数学を再構築することができました。最大の課題は、車両の正確なボリュームを作成することでした。このために、膨大な情報源である『LP400』(シャシ001)の3Dスキャンをおこなうチャンスを利用しました。

 結局、最終モデルにたどり着くまでに、のべ2000時間の作業が必要となりましたが、満足のいくラインに到達できたと思います。インテリアについても、まったく同じ手順に従いました」(ボルケルト氏)

 そしてランボルギーニ・ポロストリコの徹底したこだわりは、タイヤにも求められた。そこで、ジュネーヴでのデビューの際にLP 500プロトタイプに取り付けられていたタイヤを再生するため、1963年にランボルギーニが創業して以来、現在に至るまで継続しているピレリとのコラボレーションが、この上なく貴重であることが証明された。

「フォンダツィオーネ・ピレリ(Fondazione Pirelli:ピレリ基金)」のアーカイブに保存されている画像と資料のおかげで、オリジナルのLP500は当時のイタリア製高性能車の定番「チントゥラート(Cinturato)CN12」を装着していたことが判明。

 これらのドキュメントから、ミラノのピレリ本社は1930年から2000年の間に製造された名作の復刻版「ピレリ・コレツィオーネ・シリーズ」のチントゥラートCN12の作成に着手し、ヴィンテージなイメージを現代のテクノロジーでよみがえらせることに成功した。

 今回のランボルギーニ・カウンタックLP500用のCN12タイヤは、フロント用が245/60R14、リア用は265/60R14のサイズで提供されることになったという。

 さらにボディカラーの選択に関しては、「PPGアーカイブ」が重要であることが判明。慎重に分析したのち、「ジアッロ・フライ・スペチアーレ(Giallo Fly Speciale)」として識別される黄色を生成するための、正確な組成を解明することができたとのことである。

* * *

 カウンタック50周年に際して、幻のLP500プロトティーポを復活させることに成功したアウトモビリ・ランボルギーニ社の会長兼CEOであるステファン・ヴィンケルマン氏は、ヴィラ・デステ出展に先立ち、以下のようなコメントを残している。

「カウンタックはハイパフォーマンスカーを再び発明するとともに、デザイン言語を構築した名作です。わたしたちが新たに製作した伝説的なカウンタック第1号車、1971年のLP500をヴィラ・デステのコンセプトカー・クラスにて鑑賞することができるのは、カウンタックの50周年を祝う、貴重な機会となるでしょう」

【画像】オリジナルと復刻版の「カウンタックLP500」を見比べる!(11枚)

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