昭和のあの時代が懐かしい! 消えたクルマ用語「ソレタコデュアル」とは

1970年代チューニングの「三種の神器」がソレタコデュアル

 昭和のクルマ好きのヤング(若者)であれば必ず知っていた、いや、知っていないとまずかった言葉が「ソレタコデュアル」です。

日産初代S30型「フェアレディZ」の高性能モデル「Z432」の2リッター直列6気筒「S20型」エンジン
日産初代S30型「フェアレディZ」の高性能モデル「Z432」の2リッター直列6気筒「S20型」エンジン

 これは「ソレックス」「タコ足」「デュアルマフラー」の3つをまとめた言葉で、1970年代から1980年代にかけて、チューニングの“三種の神器”とされていました。

 ソレックスとは、フランス製の高性能キャブレターを製造していたメーカーです。いまと違って1980年代までのクルマは、燃料と空気を混合させるのはキャブレターの仕事。ソレックスは、高性能キャブレターの代名詞的存在でした。

 またタコ足とは、社外品となるエキゾーストマニホールド(排気管)です。エンジンの各気筒につながったエキゾーストマニホールドがエンジンルーム内で、まるでタコの足のようにとぐろを巻いたことから、タコ足と呼ばれていました。

 そしてデュアルマフラーは、文字通りの2本の排気管のこと。排気経路を2本とすることで排出ガスの通り道が広くなり、それだけ排出ガスの抜けるときの抵抗が減ります。

 つまり、この3つのアイテムを使うことで、効率よく燃料と空気をガソリンにエンジンに送り込み、効率よくガスを排出。その結果として、エンジンのパワーがアップするというわけです。

 クルマ好きの若者であれば、愛車を少しでも速く、そしてカッコ良くしたいと思うもの。そうしたクルマ好きが、こぞって「ソレ・タコ・デュアル」を愛車に装着することが勲章のように思われていたのです。

 しかし、「ソレ・タコ・デュアル」がもてはやされるのは1980年代まで。1980年代後半から、徐々にクルマは電子制御化されていき、キャブレターが使われなくなります。

 またチューニング技術も高まって、さまざまな手法が広まっていきます。三種の神器をポンと付ければOKという時代は過ぎ去り、それにあわせて「ソレタコデュアル」という言葉も使われなくなってしまいました。

※ ※ ※

 ほかにも、技術の進化や法制度や流行の変化によって、消えた自動車用語は数多く存在します。

 いま現在、盛んに使われている用語も、技術革新や法規制で、いつかは消え失せてしまう可能性もあるのです。次に消えてしまう言葉は、いったい何なのでしょうか。そうしたことを予想するのも、またクルマの楽しみのひとつではないでしょうか。

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