マツダ「MX-30 EV」を買うと無償でエンジン搭載車をレンタルできる! 米国マツダの斬新なプログラムとは

マツダ初の量産EVとなる「MX-30 EV」。日本仕様での一充電走行距離は256km(WLTCモード)で、「ホンダ e」と同じシティコミューター的存在です。そんな「MX-30 EV」購入者に対して、アメリカ市場ではマツダの非EVモデルの無償レンタルをおこなうプログラムが始まりました。その背景にはEVの一充電走行距離の短さが関わっているようです。

ロングドライブの際はエンジン搭載車を無償で借りられる

 マツダ初の量産型EV「MX-30 EV」が2021年10月より北米で販売を開始する。日本では2021年1月から販売されており、今後、航続距離を伸ばすためにレンジエクステンダー(航続距離延長機の意味)という発電を担うためのロータリーエンジン搭載も噂され、何かと注目度の高いクルマだ。

 MX-30 EVの日本仕様での一充電走行距離、つまりはフル充電での航続距離はWLTCモードで256km、JC08モードで281kmという国土交通省審査値が発表されている。航続距離たっぷりというわけではないが、日本国内で使用するなら問題ないといえる。

 一方、英国に目を向けてみると一充電走行距離は124マイル(199km)と、英国マツダのホームページに謳われている。そして、アメリカでは、一充電走行子距離は100マイル(161km)と記されている。バッテリー総電力量は35.5kWhと同じなのに、だ。

 仕様が違うからとはいえ、ここまで日本仕様と差が出るのは、一充電走行距離を短く記すことでドライバーに早めの充電を心がけさせようとしているのだろうか? もっとも、アメリカの一充電走行距離はEPA(米国環境保護庁)による「推定値」なのだが……。

長いボンネットと観音開きドアが特徴的なMX-30。日本ではCHAdeMOの急速充電器を使うことで、40分で80%まで充電することができる(C)マツダ
長いボンネットと観音開きドアが特徴的なMX-30。日本ではCHAdeMOの急速充電器を使うことで、40分で80%まで充電することができる(C)マツダ

●EVだとやはりロングドライブが不安

 しかし、マツダにだって秘策がないわけではない。

 まず、MX-30 EV購入者には500ドル(邦貨換算約5万5000円)相当の充電クレジットが付与される。これくらいなら驚くに値しないが、斬新なのは3年間付与される「MX-30 エリート・アクセス・プログラム」と呼ばれる特典だ。

 どんなプログラムかといえば、年間10日間、電気自動車以外のマツダ車を借りられるというもの。具体的にどんな車両が選べるのかは公表されていないが、要は航続距離が不安になる場面において内燃式エンジン搭載車を借りられるというものだ。

 普段の移動は電気自動車で大丈夫、でも休暇中のロングドライブは不安、という場面を想定しての発案だろう。

 電気自動車の航続距離を補い、ほかのマツダ車のプロモーションという一石二鳥な役割を果たしてくれるのだから、斬新なプログラムといっていいだろう。日本でも同様のプログラムが採用されれば、人気を博すに違いない。

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